世界経済の恩恵を受けられるポートフォリオの作り方3ステップ【運用後のリバランス効果も解説】

悩み
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投資にも慣れてきたし、そろそろ自分なりにアレンジしてポートフォリオを作りたいなぁ。どうすればいいのだろう?

こんなお悩みにお答えします。

☑️本記事の内容

  • ポートフォリオの作り方3ステップ
  1. 債券に投資する比率を決める
  2. 投資する指数(インデックス)を選ぶ
  3. 選んだ指数に投資する比率を決める
  • 運用した後はリバランスを定期的に行う

☑️本記事の執筆者

くわ

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。

私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!

どの投資商品にどれぐらいの配分で投資するかを決めるポートフォリオは投資の資産増加を表す式、

  • 投資資産=(収入―支出)×利益率×投資年数

のうち利益率に大きく影響を与える非常に重要な部分です。

 

長期投資の成果を左右するのは投資銘柄や売買のタイミングなどではなく、ポートフォリオだと言われています。

 

格安のインデックスファンドを世界中に広めたことで有名な「バンガード・グループ」の研究結果によるとポートフォリオの投資の成果への影響具合は、なんと88%も占めると言われています。

 

そこで今回の記事では、3ステップでできるポートフォリオの作り方を解説します。

またポートフォリオを組んで運用した後に、相場の変動によって当初のポートフォリオは崩れていきます。

そこで運用を開始した後のリバランスの仕方についても解説します。

くわ

具体的なインデックスファンドを使ってポートフォリオの作り方を解説しますので、この記事を読めばオリジナルのポートフォリオを作れるようになります。

ステップ1;債券に投資する比率を決める

ポートフォリオ作成でまずはじめにやることは、債券にいくら投資するかを決めます。

なぜ債券が初めかというと、債券比率によって資産の変動具合が大きく変わってくるからです。

そこでまず初めに債券の特徴について簡単に解説します。

債券の役割=資産の変動をゆるやかにする

債券というのは国や地方公共団体、企業などが一般の投資家からお金を借りる目的で発行するのもで、返還期限がきたら利子をつけて投資家に返すというものです。

 

債券という商品の特性上、株式投資などと比べて値動きが非常に緩やかだという特徴があります。

米国株式のS&P500と先進国債券インデックスのチャートを比較すると一目瞭然です。

そしてこの債券をポートフォリオに組み入れた場合、ポートフォリオ全体の値動きも緩やかにすることができます。

 

以下の図は株式100%のポートフォリオと株式50%、債券50%のポートフォリオの資産変動を比較したものです(株式、債券ともに先進国インデックスを使用)。

引用;マイインデックス

上記の図には株式の暴落時期をグレーの帯で示していますが、暴落局面では株式100%のポートフォリオの方が下落率が大きいのが分かります。

直近ピークからボトムまでの下落率をまとめると以下のようになります。

項目 株式100% 株式50%債券50%
リーマンショック -50% -32%
チャイナショック -13% -10%
コロナショック -11% -5%

このように債券をポートフォリオに含んでいる方がポートフォリオ全体の下落率を小さくすることができます。

 

ここで気をつけなければならないのは、リスクを取りたくないからといって債券比率を極端に大きくすると、投資の成果も小さくなってしまうという点です。

また逆にリスクを果敢にとって株式に100%投資し、突然リーマンショック級の暴落が起きた途端に、損失の大きさにビビって投げ売りしてしまっては長期投資の意味がありません。

債券(or現金)に投資する比率を決める

このように債券比率を大きくすることと投資のパフォーマンスはトレードオフの関係にあるため、債券比率を決めるのは結構難しい作業です。

 

じゃあどうすればいいか?というと、一例として「自分の年齢分だけ債券比率を大きくしていく」という考え方があります。

この考え方にもいろいろあり、そのまま「年齢分債券比率を上げていく考え方」「(年齢−20)分債券比率を上げていく考え方」などがあります。

 

自分の年齢分だけ債券比率を大きくするというのは、

年代 年齢分の債券 (年齢-20)分の債券
30代 株式70%:債券30% 株式90%:債券10%
40代 株式60%:債券40% 株式80%:債券20%
50代 株式50%:債券50% 株式70%:債券30%

と言った感じです。

 

この方法では、年齢が上がるにつれて債券の比率も大きくなるので、株式の変動の影響を小さく抑えることができます。

 

特に定年前だと長期投資のゴールに近づいている時で投資資産も大きくなっているはずです。

そんな時に相場の急変動であたふたしないよう年齢と同じ分ぐらいの債券比率を組み入れていると安心です。

個人的には「年齢−20」の比率で債券か現金で持っていたいと思っています。

【ポートフォリオ作成ステップ1】

  • 年齢と同じぐらいの比率で債券に投資する

ステップ2;投資する指数(インデックス)を決める

続いては投資する指数(インデックス)を決めます。

ひとえにインデックスといってもいろんな種類のインデックスがあり、大別すると株式インデックス・不動産インデックス・債券インデックスがあります。

 

この中でも株式インデックスが一般的に力強く上昇します。

くわ

でも株式であればなんでもいいと言うわけではありません。

株式インデックスをざっとあげただけでもたくさんの種類があります(下図赤枠)。

ここで代表的な株式インデックスの成績を長期チャートで確認してみます。

グラフから見て分かる通り、「米国株式」「全世界株式」「先進国株式」は多少の変動はあるものの、10年間右上がりで上昇しています。

 

日本株式は世界の時価総額に占める割合が7%程度であり、「全世界株式」か「先進国株式」に含まれる割合で日本株式に投資すれば良いと考えています。

【ポートフォリオ作成ステップ2】

  • 株式インデックスをメインの投資先にする
  • 「米国株式」「全世界株式」「先進国株式」がおすすめ

ステップ3;選んだ指数に投資する比率を決める

投資配分は全世界株式をベースに考える

全世界株式をベースに考えるというのは、ざっくり言うと「世界の現在のパワーバランスを考慮して投資配分を決める」ということです。

 

世界の株式の現状は、全世界株式に投資する投資信託(例えばeMAXIS slim全世界株式インデックスファンド)の目論見書を見れば分かります。

 

以下の図は、eMAXIS slim全世界株式インデックスファンドの国・地域別の構成比率(2020年3月末時点)です。

※eMAXIS slim全世界株式インデックスファンド目論見書より引用

この表を見ると、

先進国88%:新興国12%

または

アメリカ57%:その他先進国21%:新興国12%

の比率であることが分かります。

 

この配分比率とこれらのパフォーマンスの特徴を知れば、自分のポートフォリオで日本株式50%であったり、新興国がなんとなく成長しそうだから40%も入れるのは多すぎると言うのが分かると思います。

くわ

ポートフォリオの作成は各個人の自由ですが、せめて特徴を知ってから決めた方が良いと言うのが、「目標利回りは全世界株式をベースに考える」という意味です。

選んだ指数に投資する配分を決める

ここでは私がおすすめの「全世界株式」に「米国株式」を組み合わせる配分方法を紹介します。

それぞれの特徴は

  • 全世界株式;成績はちょびっと物足りないけど、新興国を含んだ世界全体の恩恵を受けられる。
  • 米国株式;米国だけに投資するのは怖いけど、ここ10年の成績は抜群。

全世界株式の成績を少し上げるために、米国株式をトッピングするイメージです。

 

全世界株式(緑色)と米国株式(赤色)のチャートを掲載します。

図中に描いたように、米国株100%なら赤ライン、全世界株100%なら緑のラインの成績と一致します。

 

例えば投資配分を50%:50%にすると赤と緑ラインのちょうど真ん中のポートフォリオ、米国株式の比率を大きくすると赤よりの成績のポートフォリオなど、この2つのインデックスを使えば如何様にもアレンジしたポートフォリオを作成することができます。

 

私の今のポートフォリオは、全世界の成長の恩恵を受けつつ、米国の力強い成長の比重を少し大きくしたいという思いから以下の投資配分としています。

  • 全世界株式:米国株式=50%:50%

詳しい成績は✅インデックス積立投資の実績【市場全体への投資をメインとする理由】にまとめています。 

くわ

世界がどう転ぼうと10年以上はこのポートフォリオで戦えそうです。

【ポートフォリオ作成ステップ3】

  • 「全世界株式」に「米国株式」をプラスしてオリジナルポートフォリオを作成する

実際にポートフォリオを作ってみる

ここまで解説したポートフォリオの作成ステップの内容を元に実際にポートフォリオを作成してみます。

仮に年齢が40歳としてみましょう。

  • ステップ1;債券比率→20%(株式比率80%)
  • ステップ2;投資するインデックス→全世界株式、米国株式
  • ステップ3;インデックスへの配分→全世界株式:米国株式=50%:50%

そして具体的な投資商品としてはコストの安さから以下の3つのファンドとします。

ファンド名 投資対象 信託報酬
eMAXIS slim先進国債券 先進国債券 0.154%
eMAXIS slim米国株式(S&P500) 米国株式 0.0968%
eMAXIS slim全世界株式(オールカントリー) 全世界株式 0.1144%

ステップ1〜3の結果投資配分は以下のように計算します。

  • eMAXIS slim先進国債券=20%
  • eMAXIS slim米国株式=50%×80%=40%
  • eMAXIS slim全世界株式=50%×80%=40%

あとはここで計算できた割合を毎月の投資金額にかけて、積立投資すればポートフォリオの完成です。

 

ポートフォリオの作成に役立つ情報を✅ポートフォリオの作成に役立つ無料ツールを5つ紹介にまとめました。

インデックスの探し方や配当込みのポートフォリオ、エクセルデータのダウンロード方法などを詳細にまとめていますので参考にしてみてください。 

運用した後は定期的にリバランスを行う

一度ポートフォリオを作って運用を開始しても、相場の変動によって当初のポートフォリオは変わっていってしまします。

 

そこで株価が暴落した際にポートフォリオの配分を再調整するリバランスが必要になります。

 

リバランスを次のような単純な例で考えてみます。

  1. 株式と債券に50%ずつ投資
  2. 株式暴落
  3. 債券を一部売却し、暴落した株式を購入(リバランス)
  4. 株価回復

この単純な例を株式と債券価格を変動させてリバランスのイメージを解説します。

  1. 暴落前は株式も100、債券100で合計資産は200
  2. 株式が半分の50に、債券は変わらず100
  3. 全体の配分が大きくなった債券を売却し、株式を購入。ポートフォリオはリバランスにより再び50%:50%に
  4. 株価回復で元の価値に戻った結果、合計資産は200→225へ上昇

 

このようにリバランスは高くなったものを売って、安くなるものを買い戻すという行為であり、うまくいけば資産を増加させることもできます。

くわ

ここで解説したリバランスは元のポートフォリオを維持するための一般的な方法です。

ちなみに債券を入れない場合はほったらかしという立派な戦略もあります。

インデックスの積立投資以外何もしない方が良かった話【コア・サテライト戦略の重要性】
これまでいろんな投資方法を試してきましたが、仮にインデックスの積立投資だけを継続したらどれぐらいの利益になったのか、現状と比較して解説します。またその結果からコア・サテライト戦略の重要性についても解説します。

まとめ

今回の記事では投資の資産増加を表す式、

  • 投資資産=(収入―支出)×利益率×投資年数

のうち利益率に関連する項目の中でポートフォリオの作り方について解説しました。

 

ポートフォリオの作り方は自由、途中で変更するのも自由。

でも自由すぎて訳がわからないという方にとっては、債券を年齢の割合で入れる、株式の投資配分は全世界株式をベースに考えるというのはポートフォリオ作成のヒントになると考えています。

 

作成したポートフォリオが自分に合っているかどうかは相場が急変動した時に、安心して投資を継続できるかどうかだと思います。

ぜひご自身が安心して投資できるポートフォリオを探ってみてください。

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