くわにゃん(@kuwanyan98)です。
めざせ金持ち父さんシリーズの第8弾は「ポートフォリオの作り方〜債券に投資する比率を決める〜」について書きます。
投資をすることで積み上げられる資産というものは、以下のように単純化して表すことができます。
資産=(収入ー支出)×投資期間×利益率
この中で今回は利益率に関連する項目の中でポートフォリオの作り方に的をしぼって書きたいと思います。
債券投資と聞くとどんなイメージでしょうか?
私のイメージは、つまらない、儲からない、必要ない。。。
といったイメージでした。
しかし投資金額がだんだんと大きくなると自分のポートフォリオの変動率も大きくなり、債券投資の意味合いが分かってきました。
そんな中、債券をポートフォリオに入れ始めてから数ヶ月でコロナショックが起き、自分のポートフォリオの資産が30%近くも下落するという事態を目の当たりにしました。
投資額がまだ1000万円にも満たない中での下落は精神的には問題ありませんでしたが、これが投資額3000万円以上だと−1000万円規模の損失となることを想像すると、やはり一定規模は債券への比率を考えた方がいいなと再確認した次第です。
今回の記事では債券投資の説明から、債券投資がポートフォリオに及ぼす影響、プロが運用するポートフォリオの債券投資の割合などを解説し、債券投資の意味合いを解説したいと思います。
債券投資の特徴
債券投資とは
債券というのは国や地方公共団体、企業などが一般の投資家からお金を借りる目的で発行するのもで、返還期限がきたら利子をつけて投資家に返すというものです。
債券という商品の特性上、株式投資などと比べて比較的安定的な運用が可能です。
債券自体は利益が約束されている商品ですが、実際には債券の満期になるのを待たずに市場で取引されます。
債券の特徴としては、株式のパフォーマンスが悪いと相対的に利回りがよくなる債券が買われるという傾向があるため、債券価格は上昇します。
ちなみに債券が買われると債券の価格は高くなり、利回りは低下します。
以下の図で債券の価格変動によって利回りが変わる仕組みが分かります。

図にあるようにもらえる金額は同じですが、債券価格の上昇により利回りが低下します。
債券の変動率
続いて債券の変動率を確認してみます。
参考とするのは「eMAXIS Slim 国内債券インデックスファンド」で、日本国内の国債、社債、地方債など非常に安定した債券に投資するものです。
設定来のチャートは以下の通りです。
パフォーマンスとしては、0%〜4%程度で安定しています。
次の図に示す日経平均(オレンジ)と比較してみると債券(青色)の価格変動が小さいのが一目瞭然で分かります。
変動率が小さい債券投資ですが、投資商品という性格上マイナスになる可能性もあるという点は考慮しておく必要があります。
債券投資の役割
続いて債券をポートフォリオに入れるメリットについて考えてみます。
資産の変動をゆるやかにする
続いて債券をポートフォリオに組み入れた場合の変動率を見てみます。
以下の図は株式100%のポートフォリオと株式50%、債券50%のポートフォリオの資産変動を比較したものです(株式、債券ともに先進国インデックスを使用)。
引用;マイインデックス
上記の図には株式の暴落時期をグレーの帯で示していますが、暴落局面では株式100%のポートフォリオの方が下落率が大きいのが分かります。
直近ピークからボトムまでの下落率をまとめると以下のようになります。
項目 | 株式100% | 株式50%債券50% |
リーマンショック | -50% | -32% |
チャイナショック | -13% | -10% |
コロナショック | -11% | -5% |
このように債券をポートフォリオに含んでいる方がポートフォリオ全体の下落率を小さくすることができます。
先ほどのグラフにもあるように長期で見ると株式100%のポートフォリオの方がパフォーマンスがいいものの、途中に何度か暴落局面が訪れる中、投資を継続できるかは投資家ごとのリスク許容度にかかってきます。

債券を含んだポートフォリオの方が変動が緩やかなため投資を継続するのが精神的に楽そうです。
投資金額が少額であれば債券に投資する必要は感じませんが、投資金額が1000万円以上になる場合はある程度債券への投資も視野に入れたいところです。
株式暴落時の原資に使う
債券をポートフォリオに入れるもう一つのメリットとしては、株価暴落局面での暴落した株式を買う原資にするというものです。
株式の暴落から債券をリバランスする単純な例で考えてみます。
①株式と債券に50%ずつ投資
↓
②株式暴落により資産減少
↓
③債券を売却したお金を原資とし、暴落した株式を購入(リバランス)
↓
④株価回復により資産増
この例を単純なイメージで描くと以下のようになります。
ポイントとなる部分を赤字で示しました。
①の暴落前は債券100、株式も100で合計資産は200、④のリバランス後の株価回復で合計資産は320なので、リバランスしたことにより資産が増えました。
実際はこんなにうまくは行かないでしょうが、債券に投資した分は株価暴落時のリバランスに使うことでポートフォリオ全体のパフォーマンスをあげることができそうです。
ここまでで債券に投資する意味合いを解説してきました。
次頁ではポートフォリオにどれぐらい債券を含んだ方がいいのかを考えてみます。
債券に投資する比率を決める
まずは自分のポートフォリの債券比率を考える前に、プロが運用するポートフォリオの債券比率を見てみます。
プロのポートフォリオを知る
プロのポートフォリオの中でも安定運用が求められる年金基金のポートフォリオを紹介します。
GPIFのポートフォリオ
まずは私たち日本人の年金168兆円もの巨額の金額を管理する年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)が運用する資産状況からです。
以下の図は2019年12月末のGPIFのポートフォリオです。
引用;GPIF HP
内側の割合が目標としているもので、外側が実績です。
2019年末の実績ベースでは以下のようになっています。
- 国内債券25%
- 外国債券19%
- 国内株式25%
- 外国株式28%
- その他3%
ざっくり株式50%:債券50%というポートフォリオで、債券が半分含まれているので結構守りのポートフォリオであることが分かります。
GPIFの約20年間の投資実績は以下の図のように3.23%でした。
引用;GPIF HP
債券が半数近く占めるポートフォリオで3.23%ならそこそこいい成績ですね。
世界の年金基金のポートフォリオ
続いて世界の年金基金のポートフォリオ(2019年3月末)を覗いてみます。
略称 | 名称 | 運用資産 |
CalPERS | カリフォルニア州職員退職年金基金 | 40兆円 |
CPPIB | カナダ年金制度投資委員会 | 33兆円 |
GPF-G | ノルウェー政府年金基金-グローバル | 115兆円 |
GPIF | 日本年金積立金管理運用独立行政法人 | 159兆円 |
これらの年金基金が運用するポートフォリオは以下の通りです。
引用;GPIF HP
いずれの基金も債券をポートフォリオに含んでおり、概ね30〜50%と言ったところです。
そして実績は以下の通りです。
引用;GPIF HP

GPIF一番悪いやん。

ということが言いたいわけではなく、どの基金の成績も概ね年率0から10%と安定しています。
年齢に合わせて債券比率を大きくしていく
プロのポートフォリオを見ると債券比率は概ね30%〜50%というのが分かりました。
じゃあ個人の場合はどうすればいいかというと、一般的に自分の年齢分だけ債券比率を入れていくという考え方があります。
- 30代 株式70%:債券30%
- 40代 株式60%:債券40%
- 50代 株式50%:債券50%
と言った感じです。
投資した株式を売却しようとしているときに、株価が暴落してしまうと株式100%の場合は資産全体が大きく下落してしまいます。
若い人の場合はこのまま投資を継続していけば再度上昇する可能性が高くなります。
一方定年も近づき投資から距離を置こうとしている時は、債券比率を大きくしておくと株価の変動の影響を受けづらく安心です。
私はいつまで投資を継続するか分かりませんが、年齢に合わせて最大50%ぐらいを目安に徐々に徐々に債券比率を上げていく戦略を取っていく予定です。
まとめ
今回の記事では以下の資産形成を表す式
資産=(収入ー支出)×投資期間×利益率
この中で今回は利益率に関連する項目の中でポートフォリオの作り方に的をしぼって書きました。
債券の比率をどれぐらいにするかというのは個人のリスク許容度や考え方、運用金額によっても大きく異なると思います。
また債券比率を大きくしていくと運用成績は安定するものの、利益率が低くなるというトレードオフの関係にあるため、一概に何割という正解があるわけではないのが悩ましいところです。
それでも長期間投資を続けるためにリスクを出来るだけ小さくし、安定運用を目指して一定程度は債券をポートフォリオに組み入れていきたいというのが私の考えです。
よろしければフォローお願いします。
コメント