くわにゃん(@kuwanyan98)です。
投資に役立つ経済知識の第4弾は「円高と円安」についてです。
前回の記事では外国為替市場の変動要因として経常収支と金利を取り上げて説明しました。
今回は私たち日本人に関係の深い円高と円安について説明したいと思います。
円高・円安と急に言われても「あれ、どっちがどっちだっけ?」となることが多いですね。
ここでは円高・円安の意味と日本の企業や個人にどういう影響を及ぼすのかを解説したいと思います。
円高・円安とは
円高・円安というのは円の価値で考えるとわかりやすいです。
円安;円の価値が安くなること
物と同じように需要があるものや人気があるものはいろんな人から買われるので価格が高くなります。
一方、需要が少ないものや人気がないものはいろんな人に売られるので価格がやすくなります。
円高の説明
円高の場合をわかりやすくドル円で考えてみます。
極端な例ですが、1ドル=100円の相場が1ドル=50円になると円高になったことになります。
これはそれまで1ドル=100円の場合は100円だと1ドルしか交換できなかったのが、1ドル=50円と円高になると同じ100円に対して2ドルと交換できるようになります。
このように円の価値が上昇しているのがわかります。
円安の説明
続いて1ドル=100円の相場が1ドル=200円になると円安です。
これは1ドル=100円の場合だと100円で1ドルと交換できたのが、1ドル=200円の円安になった場合は200円出さないと1ドルと交換できなくなります。
同じ1ドルと円を交換するのにたくさん円が必要になるので円の価値が落ちてます。
貿易の輸出が増えると円高に向かう理由
円高になる原因を貿易の観点から簡単に説明します。
輸出して稼ぐ日本の企業はアメリカに物を輸出して売ると、購入代金としてドルを受け取ります。
ドルを受け取った日本の企業は、社員や取引先に円で給料や取引のお金を支払う必要があります。
そのためドルを円に変える取引を行います。
この取引はドルを売って円を買うことになるので、これまで説明したように円高の要因になります。
このようにして戦後から2000年始めぐらいまでは日本は貿易で大きく稼ぎ、長期的にドルに対して円高になる経緯を辿ってきました。
為替の変動要因には貿易の他にも経常収支や金利の影響があります。
詳しくは以下の記事を読んでください。
✅関連記事;【投資に役立つ経済知識】第3弾 外国為替市場の変動要因 〜経常収支と金利〜
円高・円安の影響
続いて円高・円安によって私たちの生活にどういう影響があるのか企業への影響・個人への影響・物価への影響という視点でみてみます。
企業に与える影響
輸出企業への影響
輸出企業にとっては円安の方が有利に働きます。
例えば自動車輸出会社がアメリカで車を1台2万ドルで売る取引を考えてみます。
・1ドル=100円の場合
2万ドル×100円=200万円の売上
・1ドル=200円の場合
2万ドル×200円=400万円の売上
この例では同じ2万ドルで売ったとしても日本円に換算すると1ドル=200円の場合の円安の方がたくさん受け取ることになります。
このように輸出企業にとっては円安がいいのです。
輸入企業への影響
一方輸入企業にとってはどうでしょうか。
例として自動車輸入会社がアメリカの車を1台2万ドルで買う場合を考えてみます。
・1ドル=200円の場合
2万ドル×200円=400万円の支払い
・1ドル=100円の場合
2万ドル×100円=200万円の支払い
この例だと同じ2万ドルの買い物であったとしても1ドル=100円の場合の円高の方がやすくアメリカの車を調達できています。
やすく輸入できた車は日本でもやすく売ることができ、価格競争力があります。
このように輸入企業にとっては円高の方が有利です。
まとめると以下の通りです。
円安;輸出企業に有利
個人に与える影響
個人にとっては円高がいいです。
なぜなら外国から物を買う人はいますが、個人で外国に物を売る人は少ないからです。
外国から直接物を買わなくても円高であれば輸入されるものがやすくなるので、結果的にやすく海外の物を買うことができるようになります。
また個人が海外旅行に行く場合も円高の方が有利です。
飛行機やホテル、現地での買い物などをドルで支払うことになりますが、円高であれば同じドルでも少ない日本円で用意することが可能です。
円安;個人にデメリット
物価に与える影響
続いて物価への影響を考えます。
円高が進むと海外からやすい日本円で輸入できるようになるため、安い海外製品が日本国内で多くなります。
安いものがあふれるということは物価がやすくなります。
物価がやすくなるのはいいことですが、これはデフレという現象で経済全体として考えると経済規模が小さくなるのであまり歓迎されるものではありません。

個人にとっては物価が下がることはいいことですけどね。
円安;物価上昇
まとめ
円高と円安について企業・個人・物価という面から説明しました。
円高にも円安にもそれぞれメリットとデメリットがあるのがわかったかと思います。
私が小さかった頃は日本は大きな貿易黒字国で輸出大国だと学びました。
今の中国がちょうどそんな感じですね。
貿易黒字が大きく円高が進むと日本国内で作った物の価格競争力は弱くなります。
そうなると日本の輸出企業は、労働コストの安い海外で生産し販売するようになります。
この流れは国の成熟具合で起こる必然の流れです。
次回はこの辺の流れを具体的に書きたいと思います。
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