デフォルトした国の行く末・・・通貨の暴落が国を救う!?

くわにゃん(@kuwanyan98)です。

投資に役立つ経済知識の第6弾は「デフォルトした国の行く末・・・通貨の暴落が国を救う!?」についてです。

 

前回は経済発展段階説を使って国全体のお金のやりとりである経常収支が変動し、為替がだんだんと強くなっていく(日本円だと円高)流れを説明しました。

✅関連記事;【投資に役立つ経済知識】第5弾 国の発展によって変わる経常収支と為替の関係

 

前回の説明では一方的に経済が発展していく状態で説明しましたが、実際には国の力が弱まり逆戻りしてしまうこともあります。

 

その最たる例がデフォルトです。

今回はデフォルトの解説とデフォルトした国がそのあとどうやって経済を持ち直していくかを解説します。

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デフォルトとは

デフォルトとは

デフォルトというのは債務不履行のことで、簡単にいうと「借金が返せません」と言うことです。

国の自己破産状態です。

 

そもそも国は国債を発行し、自分の国の国民や海外の投資家からお金を集め、道路を造ったり医療サービスを提供したりします。

そしてインフラが整備されると民間企業は効率が上がり利益を上げやすくなり、その利益から税金を徴収し、再度公共投資という好循環となり国全体の力が上がっていきます。

国債には返済しなければならない期限があり、その期日がくると利子(国債の金利)をつけて投資家に返す必要があります。

上記のように経済が順調にまわっている状況では企業の利益から税金を徴収し、国債の返済も難なく行われます。

 

しかし政治が不安定で経済がダメージを受けたり、紛争などで国の収入がへってしまい国債の返済ができなくなるとデフォルト状態となります。

ここ最近デフォルトした国々

デフォルト・債務不履行と聞くと国が破綻してお先まっくらだというイメージを持つかと思いますが、これまでたくさんの国がデフォルトを経験しています。

ここ20年ぐらいで起きた主なデフォルトを一覧にします。

原因
1998年 ロシア アジア通貨危機と石油価格下落の影響による国債金利の暴騰(金利172%)
2001年 アルゼンチン ロシア危機により新興国からの資金引き上げに伴う通貨暴落
2012年 ギリシャ EU支援第2弾を受けるため国債保有者との合意に基づく「秩序だったデフォルト」
2014年 アルゼンチン 2001年デフォルトの際の債権者との返済問題がこじれて「選択的デフォルト」

アルゼンチンは第二次世界大戦までは世界有数の経済大国でしたが、産業構造の転換への失敗からこれまで8回もデフォルトをしています。

アルゼンチンにとってデフォルトは慣例行事のようになってます。。。

 

またギリシャの場合は先進国ではじめてのデフォルトとしてEU崩壊につながりかねないほど深刻なものでした。

ギリシャは2009年の政権交代をきっかけにして、それまでに公表していた財政赤字の改ざんが明るみに出たことをきっかけにギリシャ国債が暴落しました。

ギリシャの場合は借金が帳消しになるデフォルトではなく、一部だけ借金を減らされることで合意しました。

外貨建て国債の怖さ

上記に書いたデフォルトの特徴としてはすべて外貨建ての国債であったというところです。

外貨建てというのは自国の通貨ではなく、例えばドル建ての国債という意味です。

ロシア、アルゼンチンはドル建て、ギリシャはユーロ建てで国債を発行し借金をしていました。

 

外貨建てということは、借金している国の通貨が下落した時にはさらに返済額が増えてしまいます

ロシアのルーブルの場合を例に説明します。

上記の図は実際に1998年に起きたロシア危機時のルーブルの価値から借金の額を計算してみました。

くわ
くわ

同じ645億ドルの借金であったのに、通貨安になることで借金がとんでもない額に膨れ上がっているのがわかります。

そしてさらに借金が増えてデフォルトの可能性が出てくると、海外の投資家は資金を引き上げさらに通貨安となります。

通貨安となるとさらに借金は増えて、ますますデフォルトの可能性になるという負のループに入って、最後はデフォルトという結末をむかえます。

これが外貨建て国債の怖さです。

ちなみにどこかの国がデフォルトとなると、日本も同じように政府の借金が多いため(GDPの200%以上)日本もデフォルト論が出てきますが、状況は全く異なります。

日本の国債は100%が自国通貨である円建てで、大部分が日本の投資家から借金をしている状態です。

円建ての国債の場合は日本円の通貨発行権は日銀にあるため、ある程度の調整が可能で、外貨建て国債のように外資に振り回されることもありません。

 

日本政府の借金額は大きく楽観視はできないものの、デフォルトした国々のように全くコントロールが効かない悲惨な状況ではありません。

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デフォルトした国の行く末

デフォルトした国がどのようになるか1998年のロシア危機を例に解説します。

まずは通貨が下落

国がデフォルトを起こすとまっさきに通貨が下落します。

以下のチャートは1998年当時のロシアルーブル/米ドルのチャートです。

※image;Reuters

ロシア危機が起きた1998年8月の後に、0.16→0.04ルーブル/米ドルと下落しました。

わずか2ヶ月ほどで通貨の価値が1/4と暴落しています。

 

デフォルトした時に通貨が暴落する理由は、まずは海外の投資家の資金の引き上げです。

ロシアに投資を行なっていた投資家は、デフォルトするやいなや真っ先に資金を引き上げ、ルーブルから米ドルや自国の通貨に交換します。

 

さらにロシアの国民もルーブルで資産を持っていても下落することがわかっているので、安全な米ドルなどに資産を交換します。

 

デフォルト時のこれらの行動により下落が下落を呼び、通貨は大暴落へとつながりました。

物価が高騰

デフォルト後の通貨下落の次に待ち受けるのは物価の高騰です。

通貨が下落すると言うことはそれまで海外から安く輸入できていたものが、同じ製品でも多く支払わなければ輸入できなくなると言うことです。

通貨の下落によりデフォルト前より高い金額で輸入した製品は、当然ながら高い金額で売られることになり、物価は高騰しインフレに拍車がかかっていきます。

 

ロシアの場合はロシア危機の翌年のインフレ率は36.5%となりましたので、1年間で物の値段が約1.3倍となりました。

(実際はもっと高いインフレ率となることが警戒されていましたが、ロシア経済の急激な回復によりこれぐらいのインフレ率ですみました。)

通貨の下落が輸出を伸ばす

デフォルトした国は通貨が下落し物価は高騰、多くの企業が倒産し失業率は増加、国民の所得は大幅に減少とかなりのダメージを受けます。

 

しかしながら悪いことばかりではありません。

デフォルトとなることでそれまでの借金はチャラか一部を減免してもらえます。

 

そして通貨が大幅に下落することで海外から物を買う力は少なくなりますが、海外からするとロシア産の製品を安く買えることになるため、国産品の市場競争力が一気に上昇し、海外への輸出が大きく増えました。

 

これは前回説明した発展段階説の逆戻りパターンです。

具体的には上記の図で通貨が一気に下落することで貿易収支がプラスになり、経常収支が徐々にプラスになる構造です。

 

ロシア危機後のロシアも国産品がバーゲンセール状態となったこと、さらにこの時は石油価格の急上昇もかさなりロシア経済は急速に回復しました。

 

2002年ごろにはBRICsの一角として新興国の中でも急成長する国として注目されるまでになりました。

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まとめ

デフォルトした国が通貨の下落によって、その国の製品が外国から見てバーゲンセール状態となり、回復していく流れを解説しました。

 

このように為替の変動が自然と起こることで経済がうまく機能するようになっており、重要な役目を果たしているのが理解できたかと思います。

 

しかしながこの為替による自然調節機能が働かない国々があります。。。

 

それは共通通貨であるユーロを採用しているEUに加盟している国々です。

次回はユーロがかかえる問題についてまとめようと思います。

 

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