インフレとデフレを分かりやすく解説。株式投資とインフレは相性がいい!?

悩み
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インフレとかデフレってどういう意味のなのかなぁ。

株式投資との関係って何かあるの?

こんなお悩みにお答えします。

☑️本記事の内容

  • インフレ・デフレの要因と損する人・得する人
  • 経済指標を正しく理解するための名目値と実質値
  • インフレと株式投資の相性がいい関係

☑️本記事の執筆者

くわ

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。

私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!

物の値段が上がることをインフレといい、物の値段が下がることをデフレと言います。

今回の記事ではインフレとデフレが起きる要因と社会に及ぼす影響を解説します。

 

また、インフレ具合というのはそれぞれの国によって大きく異なり、発表される経済指標がインフレを考慮する・しないによっても大きく考え方が異なってきます。

これは名目値と実質値という考え方でインフレとどういう関係があるのか分かりやすく解説します。

最後に投資とインフレの関係について解説したいと思います。

現在の世界は大規模な金融緩和により経済が支えられており、懸念されているのはインフレです。投資をする上で重要な知識ですので、理解しておくと役に立ちますよ。

インフレについて解説

インフレとは

インフレというのはインフレーションの略称で物の値段が上がってしまうことを言います。

 

例えばインフレ率10%の状況下では、現状100円で買えているジュースは1年後には110円出さないと買えなくなってしまいます。

このようにインフレ下では商品の価値が上がりますが、お金の価値は相対的に下がります

なぜならインフレによって100円=ジュース1本だったものが一年後には、100円=ジュース0.9本の価値しかなくなってしまうからです。

 

物をつくって販売する企業としては、売る物の値段が高くなった分企業の収入は増えるので、従業員に支払われる給料も増えます。

給料が増えるので、そこで働いている人たちはお金をたくさん使うようになり、さらにインフレが続いていくという流れができます。

緩やかなインフレであれば、経済は活性化されいいものとされています。

実際に日銀は2013年1月に「物価安定の目標」としてインフレ率を2%になるように調整しようと必死になっています。

インフレの要因

続いてインフレになる要因を考えてみます。

インフレは物の価値が上がり、お金の価値が下がる現象なので、世の中に出回るお金の量が多くなるとインフレになります

こういう状況は好景気の時に起きがちなので、一般的にはインフレは好景気の場合に起こりやすいと覚えておくといいですね。

 

例えば日銀などの中央銀行はお金を発行することができますが、お金をたくさん作っても問題ないのであれば、どんどんお金を作って世の中にばら撒けばいいはずです。

ところが先に書いたように世の中のお金の量が増える→物が少々高くても買うようになる→物の値段を高くする、というサイクルになり、インフレになりお金の価値が下がってしまいます。

 

なので日銀はインフレの状況を確認しながら通貨供給量を調整することになります。

インフレを防止するには

ではインフレを抑制するにはどうすればいいか。

インフレを抑制するのに一番簡単なのは金利をあげて世の中に出回る通貨の量を少なくすることです。

 

例えば預金者にとってみれば銀行の金利が上がると、貯金をすればもらえる利子が増えるため物を買うよりも貯金を多くするようになるはずです。

またお金を借りる企業としてみれば、金利が高い状況ではお金を借りて設備投資をしても、金利の利払いが多くなるので、新規の投資を控えるようになります。

このようにインフレ下では金利を大きくするとお金は利子のつく銀行に集まるため、世の中に出回るお金の量が少なくなります。

 

そうなるとインフレにブレーキがかかり、インフレが抑制されます。

インフレで損する人と得する人

世の中がインフレになると損する人と得をする人たちがいます。

インフレで損する人たち

インフレになると困る人たちは、給料でもらったお金を貯金していた人たちです。

なぜかというと現在の低金利下の状況ではいくらお金を銀行に預けていても、もらえる金利といえば0.1%にも満たない程度です。

そのような状況下でインフレになると銀行に預けたお金の価値は下がるため、一生懸命貯めた貯金も意味がなくなってしまいます。

インフレで得をする人たち

一方借金している人たちにとってはインフレは好都合です。

例えば住宅ローンを固定金利で借りている人たちは、インフレに合わせて借金の価値は相対的に下がってくるので、得をすることになります。 

借金の額は変わらないのに、買ったマイホームの価値がどんどん上がっていく状況を考えるとわかりやすいですね。

 

ちなみにアメリカや日本の政府は莫大な借金を抱えていますが、インフレになればなるほど借金は減ることになります。

デフレについて解説

デフレはデフレーションの略称でインフレの反対に物の値段が下がり、通貨の価値が上がる現象です。

デフレの場合はインフレの逆の現象なので、簡単にまとめると以下のようになります。

  • デフレの要因・・・不景気で世の中のお金の周りが悪くなる
  • デフレで得する人・・・貯金がたくさんある人
  • デフレで損する人・・・借金を抱えている人

デフレは一般的に不景気の時に起きやすいです。

不景気になると企業の収入減少→給料の減少→給料が減るので物を買わなくなる→物が売れないので企業は新規投資をしなくなる→ますます企業の収入減少・・・

という悪循環に陥ってしまいます。

この状況はデフレスパイラルと言われ、日本は1990年初めのバブル経済が崩壊してから長らくデフレに悩まされてきました。

※引用;世界経済のネタ帳

上記のグラフでインフレ率がマイナスになる部分がデフレです。

先ほどの解説のようにデフレスパイラルに陥ると、民間企業はますますお金を使わなくなります。

そこでデフレから脱却するための対処法としては、民間企業の代わりに日本政府が公共投資などを行い世の中にお金が出回るようにすることがあげられます。

日本政府としてはデフレになると税収は減り、借金の価値も大きくなってしまうので、是非とも避けたいところです。

名目値と実質値

続いてインフレ、デフレに関係のある名目値と実質値について解説します。

 

例えばGDPの成長率5%というと大抵名目GDPであることが多いです。

名目GDPというのはインフレも含んだ実際の集計値です。

インフレ率が10%であれば100万円の商品は翌年には110万円になります。

GDPは商品の値段の合計で表されるので、例えばGDPの成長率が実質0%であったとしても、インフレ率が10%であればGDPも10%増えます。

 

これは名目値といい実際の経済の状態を表していないのがわかります。

名目値を実質値に修正するには、インフレ率を名目値から差し引いてやる必要があります。

  • 名目値ーインフレ率=実質値

ちなみにデフレの場合は名目値にデフレ率が加算されることになります。

まとめると以下の通りです。

  • インフレ・・・名目値>実質値
  • デフレ ・・・実質値>名目値

以下に日本の名目GDP成長率と実質GDP成長率を比較して掲載します。

このグラフを見るとバブルが弾けた後の1998年〜2013年ぐらいまでは「実質>名目」となっておりデフレになっており、それ以外は「名目>実質」となりインフレ状態なのが分かります。

 

このように経済のニュースなどを見るときは名目値なのか、実質値なのか確認しないと判断を間違えることになります。

インフレと株式投資は相性がいい

続いてインフレと投資の関係ですが、株式はインフレに強いとされています。

 

理由としてはこんな感じです。

インフレになると企業が作った商品の値段は上がり企業の収入は増えます。

さらに企業はインフレによって収入が増えるので、株主への配当金を増やしたり、自社株の購入などを行うことでインフレに連動して株価も上昇しやすくなります。

これがインフレと株価の一般的な関係です。

 

以下のグラフは過去200年間の預金・金・債券・株式のトータルリターンを表したものです。

※引用;ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」

このグラフはインフレを含んだ価値を表すため当初1ドルだった預金(現金)はインフレに合わせて価値がどんどん減っていくのがわかります。

一方株式は金・債券を大きく引き離しインフレの影響も受けながら右肩上がりに上昇しているのがわかります。

 

このように貯金をしているだけだとお金は増えませんが、株式に投資するとインフレで資産が目減りすることなく増加したというのが、200年間の実績です。

(実際にはインフレになると金利は上昇するので、預金が全く悪いというわけではありませんが。)

まとめ

インフレとデフレについてまとめました。

デフレの場合はなんとなく物が安く買えるようになっていいような気がしますが、経済全体で見ると緩やかなインフレの方が望ましいです。

緩やかなインフレだと給料は上がり、給料が増えると気分も良くなりお金を使うようになり、さらに企業の収入が増えるという好循環になるので、やはりこちらの方がいいですね。

 

またアメリカをはじめとする先進国はインフレといっても数パーセント程度ですが、新興国は10%を超えるインフレ率というのもザラです。

高インフレ率の状況下では名目値と実質値が大きく乖離するため、どちらの値で話をしているのか見誤ると大変なことになります。

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