リーマンショックはどうして起きた?破綻した金融機関や原因を振りかえる

悩み
悩み

リーマンショックって何で起きたの?

分かりやすく知りたいなぁ。

こんなお悩みにお答えします。

☑️本記事の内容

  • リーマンショックによる株価暴落と破綻した金融機関
  • リーマンショックを理解するためのキーワード
  • リーマンショックはこうして起きた

☑️本記事の執筆者

くわ

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。

私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!

リーマンショックというのは2008年9月に米国の投資銀行であるリーマンブラザーズが経営破綻し、その後世界的な株安、金融危機へと発展した一連の騒動のことです。

 

私は当時投資を始めたばかりの頃で、自社株の価値が半分以下まで暴落したのを覚えています。

ただ「安く買えていいなぁ〜」と思った程度のもので、大きな痛手とはなりませんでした。

当時、新聞をみていると連日「ストップ安」などの見出しが多く、大変なことになってるんだなぁぐらいの印象でした。

 

今回の記事では、リーマンショックにより破綻した金融機関と、その原因について分かりやすくまとめてみたいと思います

金融危機が起きると相場はこうなるというのを知っておくことで、いずれ起きる暴落への心構えができるかと思います。

リーマンショックによる株価暴落と破綻した金融機関

リーマンショックで下落する前の米国の株式相場の状況としては、2000年のITバブル崩壊から立ち直り、住宅バブルに世の中がわきあがり、S&P500もピークをつけていました。

 

しかし、徐々にサブプライム問題が沸き上がり、ずるずると株価は下落している状態でした。

そんな中2008/9/15にリーマン・ブラザーズが破綻し、相場は暴落します。

当時のS&P500のグラフでリーマンショック近辺でどれぐらい下落したのかを確認してみます。

このグラフをみると、2007年につけたピークから、2009年の底まで57.7%も下落しているのが分かります。

当時は損失額が把握できず、多くの金融機関もバタバタと倒れていくような状況でした。

リーマンショックで危機に陥った主な企業は以下の通りです。

時期 会社名 業務内容 状況
2008年3月 ベアー・スターンズ 米国第5位の投資銀行 巨額損失により買収
2008年9月 フレディマック 米国政府設立の民間企業 巨額損失による国有化
2008年9月 ファニーメイ 米国政府設立の民間企業 巨額損失による国有化
2008年9月 メリルリンチ 米国第3位の投資銀行 巨額損失により買収
2008年9月 リーマン・ブラザーズ 米国第4位の投資銀行 巨額損失による破綻
2008年9月 AIG 世界最大の保険会社 巨額損失による国有化

この中でも、リーマンショック前までレバレッジ(自己資金の何倍もの資金を運用する方法)を効かせて巨額の利益を産んでいた投資銀行は、表に書いたように3社は破綻または買収、そして残ったゴールドマンサックス、モルガン・スタンレーも銀行持株会社に移行せざるをえず、純粋な投資銀行というスタイルはなくなりました。

 

また表に書いた以外にも多くの金融機関が巨額の損失を出しました。

さらにリーマンショックによる金融機関の損失の分布は、米国5割、欧州4割、その他1割と言われており、まさに世界金融危機と言われるような状況でした。

リーマンショックを理解するキーワード

リーマンショックを理解するために、最低限のキーワードである証券化とMBS・格付け・CDO・CDSをすごく簡単に解説します。

証券化とMBS

証券化というのは一言でいうと「ある資産に対して多くの投資家が少額から投資できる仕組み」のことです。

イメージを書くと次の図のような感じです。

融資機関である銀行は、住宅ローンを融資するために、利用する人の年収や資産の状況を審査して融資する必要があります。

しかし証券化というシステムが出来上がると、銀行はローンを証券化してすぐに投資家に売ってしまいます。

例えば住宅ローンの証券化による銀行のメリットとしては、

  1. 資金の回収が早いこと
  2. 手数料収入が得られること
  3. ローン利用者の返済不能リスクを投資家に転嫁すること

ができるようになります。

一方投資家としても

  1. 少額で不動産投資ができること

というメリットを受けることができます。

 

この証券化のうち不動産ローンに特化したものをMBSと言います。

格付け

続いて格付けについてです。

大量に発行されたMBSは格付け機関によって、投資家がどの商品に投資すれば安心か分かるように格付けしてくれます。

格付け機関としては、S&Pやムーディーズなどが有名です。

イメージとしては次の図のような感じです。

※引用;man@bow

「AAA」が最も高い格付けで、オーストラリア国債などが該当します。

ちなみに先程のサブプライムローンで組んだMBSであれば、「B」「C」の債務不履行の心配があるというレベルです。

でもこのままではリスクが高くて投資家が買わないなため、売れないはずです。

CDO

そこで登場するのが金融工学を駆使して生み出した、複数のローンを束ねて証券化するCDOという仕組みです。

CDOでは、格付けの高い国債や格付けの低いMBSなどを束ね、見かけ上格付けが高くなった風によそおうことができます(次の図)。

さらにCDOでは、このCDO1を細分化して他のCDOと束ねて合成CDOというのを作ることができます(次の図)。

この図の一番右のCDO3ぐらいになるとどれだけサブプライムローンが組み込まれているのか分からなくなりました

分からなくしたという方が正しいかもしれません。

 

でもCDO3になると格付け機関は国債並みの安心度の「AAA」の最高ランクをつけました。

格付け機関は「AAA」をつけた方が報酬を得られるため、その証券の危険具合を把握することなく「AAA」を連発しました。

 

この仕組みによって、大量のCDOが生み出され、「1」というローンの額に対して作られるCDOは「20」、つまり20倍分の証券化商品を作っていたと言われており、これらを大量に売って金融機関は膨大な利益を得ました。

CDS

最後はCDSについてです。

CDSというのは金融商品が下落した時に、その損失分を保証してくれる保険のようなものです。

サブプライムローンを多く含んだCDOは損失の危険があるため、CDOを販売する銀行などは安全のためにCDSも大量に購入しました。

CDS販売の筆頭は世界最大の保険会社であったAIGです。

AIGはCDOの価値が下がるとは考えておらず、自分たちが補償できる額以上のCDSを世界中に販売しました。

 

例えば自動車保険であれば、自分が事故をした時のために、自分のためにかけるものです。

しかしこのCDSというのは一つの金融商品に対して誰でもかけることができ、さらに補償の対象となる商品を持っていなくても保険をかけることができます(次の図)。

ということは、CDOが暴落すると思えば、大量にCDSに投資すれば利益を出すことができ、保険会社の損失は膨大なものになる可能性がある商品です。

リーマンショックはこうして起きた

さてそろそろ本題のリーマンショックが起きた原因を解説します。

 

時は1990年始め、ソビエト連邦が崩壊すると冷戦終了により職を失った優秀な物理学者の多くがウォール街に流れこみ、金融工学を発展させました。

 

そんなさなか米国の住宅値段が上昇し始め、金融機関は金融工学を武器に、大量のローンを組みMBSを発行するようになります。

はじめは優良客のローンがメイン(プライムローン)だったのが、次第に貸し手がなくなってくると、返済能力が低く通常では家を買えないような層にもローン(サブプライムローン)を組ませるようになりました

またサブプライローンはローン利率も高いため、英語を理解できない移民などにも無理やり組ませました(犬の名前でローンを組んだりしてたとか)。

でも金融機関としてはCDOとして売り捌いてしまえばリスクがなくなるので安心です。

また格付け機関は「AAA」をつければ金融機関から報酬がもらえるので、大した審査をすることなく「AAA」を乱発しました。

 

これまで住宅を買えなかったサブプライム層まで住宅を買えるようになり、ローンを発行する金融機関はリスクが無くなり、投資家としても格付け「AAA」のCDOを買って利益になる。

まさに夢のような話です。

 

こういった背景をうけ、2006年のS&P500の利益のうち約4割を金融機関があげるほど活況となりました。

CDOを売る銀行はリスクを取れば取るほど、格付け機関は「AAA」を連発すればするほど利益が上がる状態で、もう誰もこの流れを止められるような状態ではなかったようです。

 

最終的にはリスクを認識した銀行はクズ証券と言いながらCDOを顧客に売りさばく一方で、自分たちは損失が出ないように裏でCDSを買いまくっていたようです。

 

その後住宅バブルが崩壊し、もともと住宅価格の値上がりを背景に組まれていたサブプライムローンの返済が滞るようになりました。

高度な金融工学による証券化技術によりサブプライムローンが世界中のどこにどれぐらいばら撒かれたのか誰も把握することができず、金融機関や投資家は膨大な損失、市場は疑心暗鬼となり、世界的な信用収縮、金融危機へと広がっていきました。

 

その後の暴落と金融機関の破綻は、はじめに書いた通りです。

最終的に米国では600万人が家を失い、800万人が失業、全世界で1000兆円の損失が出たと言われています。

 

多くの金融機関が潰れたものの政府に救済されたものも多く、結局は税金で多くの損失を補填することとなりました。

まとめ

リーマンショックで起きたことをできるだけ簡潔に分かりやすくまとめました。

当時はあれだけ損失が出てるのに、誰かが利益を得てないとおかしいなぁ、と思っていました。

その答えは、金融機関の人たちがリーマンショック前までに会社収益や個人への多額の報酬という形で持っていってたということです。

 

投資銀行はリーマン後の公聴会でクズ証券と裏で呼びながら売っていたことはシラを切り、格付け機関は格付けをただの「意見」だったと言い逃れ、結局は責任を取ることなく世界的な詐欺と言われたショックは終わりました。

 

アマゾンプライムで無料で見れる「マネーショート」なんかを見ると面白く理解できるかと思います。

 

よろしければフォローお願いします。

タイトルとURLをコピーしました