
円高とか円安ってなんだっけ?海外の株式に投資する投資信託との関係は?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- 円高と円安を分かりやすく解説
- 円高や円安が企業・個人・物価に与える影響
- 円高・円安により海外に投資する投資信託の価値はどう変わるか
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
今回の記事では私たち日本人に関係の深い円高と円安について説明したいと思います。
円高・円安と急に言われても「あれ、どっちがどっちだっけ?」となることが多いですね。
そこでまずは円高・円安の意味と日本の企業や個人にどういう影響を及ぼすのかを解説します。
ここまでなら普通に生活している限り一般の方にはあんまり関係ないと思いますが、海外に投資する投資信託を持っている方にとっては大きく関係してきます。
そこで、記事の最後では円高・円安によって海外に投資する投資信託の価値がどのように変わるのかを解説します。

最近人気の米国株式や全世界の株式に投資する投資信託に投資する人にとっては、重要な内容ですので理解しておきたいポイントです。
円高・円安とは
円高・円安というのは円の価値で考えるとわかりやすいです。
円安;円の価値が安くなること
- 円高=円の価値が高くなること
- すなわち;円高=少ない円でたくさんのドルと交換できる
- すなわち;円高=1ドルと交換するための円は少なくて良くなる
物と同じように需要があるものや人気があるものはいろんな人から買われるので価格が高くなります。
一方、需要が少ないものや人気がないものはいろんな人に売られるので価格がやすくなります。
以下の図は円高・円安をイメージで描いた物です。
円高の説明
円高の場合をわかりやすくドル円で考えてみます。
極端な例ですが、1ドル=100円の相場が1ドル=50円になると円高になったことになります。
これはそれまで1ドル=100円の場合は100円だと1ドルしか交換できなかったのが、1ドル=50円と円高になると同じ100円に対して2ドルと交換できるようになります。
このように円の価値が上昇しているのがわかります。
円安の説明
続いて1ドル=100円の相場が1ドル=200円になると円安です。
これは1ドル=100円の場合だと100円で1ドルと交換できたのが、1ドル=200円の円安になった場合は200円出さないと1ドルと交換できなくなります。
同じ1ドルと円を交換するのにたくさん円が必要になるので円の価値が落ちてます。
円高・円安の影響
続いて円高・円安によって私たちの生活にどういう影響があるのか企業への影響・個人への影響・物価への影響という視点でみてみます。
企業に与える影響
輸出企業への影響
輸出企業にとっては円安の方が有利に働きます。
例えば自動車輸出会社がアメリカで車を1台2万ドルで売る取引を考えてみます。
・1ドル=100円の場合
2万ドル×100円=200万円の売上
・1ドル=200円の場合
2万ドル×200円=400万円の売上
この例では同じ2万ドルで売ったとしても日本円に換算すると1ドル=200円の場合の円安の方がたくさん受け取ることになります。
このように輸出企業にとっては円安がいいのです。
輸入企業への影響
一方輸入企業にとってはどうでしょうか。
例として自動車輸入会社がアメリカの車を1台2万ドルで買う場合を考えてみます。
・1ドル=200円の場合
2万ドル×200円=400万円の支払い
・1ドル=100円の場合
2万ドル×100円=200万円の支払い
この例だと同じ2万ドルの買い物であったとしても1ドル=100円の場合の円高の方がやすくアメリカの車を調達できています。
やすく輸入できた車は日本でもやすく売ることができ、価格競争力があります。
このように輸入企業にとっては円高の方が有利です。
まとめると以下の通りです。
円安;輸出企業に有利
個人に与える影響
個人にとっては円高がいいです。
なぜなら外国から物を買う人はいますが、個人で外国に物を売る人は少ないからです。
外国から直接物を買わなくても円高であれば輸入されるものがやすくなるので、結果的にやすく海外の物を買うことができるようになります。
また個人が海外旅行に行く場合も円高の方が有利です。
飛行機やホテル、現地での買い物などをドルで支払うことになりますが、円高であれば同じドルでも少ない日本円で用意することが可能です。
円安;個人にデメリット
物価に与える影響
続いて物価への影響を考えます。
円高が進むと海外からやすい日本円で輸入できるようになるため、安い海外製品が日本国内で多くなります。
安いものがあふれるということは物価がやすくなります。
物価がやすくなるのはいいことですが、これはデフレという現象で経済全体として考えると経済規模が小さくなるのであまり歓迎されるものではありません。

個人にとっては物価が下がることはいいことですけどね。
円安;物価上昇
円高・円安により海外に投資する投資信託の価値はどう変わるか
続いて円高・円安が海外に投資する投資信託の価値に与える影響について解説します。
最近は、楽天・全米株式インデックスファンドやeMAXIS Slim(S&P500)など海外の株式に投資する投資信託が人気があります。
これらの投資信託を買う時は日本円で買い、基準価額も以下のように日本円で表示されますね(チャートは楽天・全米株式インデックスファンド)。
ところが海外の株式なので、我々が預けたお金はドルに変換されドルで運用されます。
例えば楽天・全米株式インデックスファンドは海外のVTIに投資するファンドですが、VTIの価格が200ドルで円高・円安に振れた場合を考えてみます。
・1ドル=100円の場合
VTIの価値;200ドル=20,000円
・1ドル=110円の場合
VTIの価値;200ドル=22,000円
というように10%円安になると、日本円の評価価格も10%増えているのが分かります。
なので先程掲載した楽天・全米株式インデックスファンドは、VTIのドル価格とドル円レートの掛け合わせであるということです。
ドル円レートは数年で10%〜20%は動くので、投資している資産が数百万円にもなると結構評価額に効いてくるのがわかります。
基準価額=株式のドル価格×ドル円レート
まとめ
円高と円安について企業・個人・物価という面から説明しました。
円高にも円安にもそれぞれメリットとデメリットがあるのがわかったかと思います。
今人気のS&P500や全米株式などの投資信託に投資している方にとっては、投資する時は円高で資産が大きくなってきたときに円安になると、価格の増加×為替増加分により利益が増えます。
リーマンショックの時のようにその逆にダブルパンチとなることもありますが。
いずれにしても「こんなことになるとは。。」とならないよう、正しく理解しておくことが大切だと思います。