
時価総額加重平均指数ってどんな特徴があるの?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- 時価総額加重平均指数の特徴
- 世界の時価総額ランキングの変化
- 時価総額加重平均指数のメリットとデメリット
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
今の世の中は株価指数として、時価総額加重平均型指数を採用するところが多いです。
最近は低コストのインデックスファンドやつみたてNisaという便利な制度が整ってきたおかげで個別株への投資だけでなく、インデックスファンドへ投資する方が増えてきました。
今回は多くのインデックスファンドが採用する指数である時価総額加重平均指数の特徴と時価総額加重平均型指数に連動する投資信託やETFへの投資のメリットとデメリットを解説したいと思います。
結論として時価総額加重平均指数に連動する商品に投資する最大のメリットは、
の一言につきます。

この記事を読むと、10年もすれば組み入れ銘柄は大きく変わるため、時価総額加重平均指数は自動的に世の中の変化に対応してくれる優れた株価指数であることが分かるかと思います。
時価総額加重平均型株価指数とは
時価総額加重平均型株価指数
時価総額加重平均指数は世界の多くの株価指数がこの方式を採用しており、日本ではTOPIX、アメリカではS&P500などが有名です。
時価総額加重平均指数を採用する世界の主要な指数を掲載します。
指数名 | 国 | 開始年 | 採用銘柄の特徴 |
TOPIX | 日本 | 1969年 | 東証一部上場銘柄 |
S&P500 | アメリカ | 1957年 | アメリカの代表企業500社 |
ナスダック総合指数 | アメリカ | 1971年 | ハイテク株、ネット関連株 |
FTSE100 | イギリス | 1984年 | ロンドン証券取引所上位100銘柄 |
DAX | ドイツ | 1988年 | ドイツの代表企業30社 |
香港ハンセン株価指数 | 香港 | 1964年 | 香港証券取引所上位銘柄 |
また時価総額加重平均指数の計算方法ですが、組み入れ銘柄の時価総額の合計を定めたある一時点の基準日での時価総額の合計で割って計算します。
TOPIXとS&P500で具体的に解説
TOPIXの場合の基準日は1968年1月4日です。この日の東証一部上場企業の時価総額の合計を100として計算します。
またS&P500の場合は、1941年から1943年における平均指数を10として計算しています。
TOPIXは2019年10月21日終値で1,628なので51年で16倍、S&P500は同日終値で3,006なので76年で300倍になったということです。
余談ですがこの値上がりの結果から逆算するとTOPIXは平均年率5.7%、S&P500は平均年率7.8%なので、なかなかいい利回りだったことが分かります。
ちなみにTOPIXとS&P500の2019年時点での時価総額上位5銘柄は以下の比率となっており、これらの指数に投資するとこの比率と同じ分だけ投資したことになります。
【2019年TOPIX組入れ銘柄と比率】
順位 | 銘柄 | 割合 |
1 | トヨタ自動車 | 3.58% |
2 | ソニー | 1.87% |
3 | ソフトバンク | 1.74% |
4 | 三菱UFJ | 1.60% |
5 | NTT | 1.58% |
【2019年S&P500組入れ銘柄と比率】
順位 | 銘柄 | 割合 |
1 | マイクロソフト | 4.27% |
2 | アップル | 3.74% |
3 | アマゾン | 2.98% |
4 | フェイスブック | 1.81% |
5 | バークシャー・ハサウェイ | 1.64% |
以上が時価総額加重平均指数の概要です。
世界の時価総額ランキングの変化
続いて世界の企業の時価総額が時代によってどのように変化してきたのか、1992年と2018年の時価総額上位10銘柄を比較してみたいと思います。
1992年の世界時価総額上位10銘柄
まず1992年の世界時価総額上位10銘柄と時価総額を掲載します。
順位 | 銘柄 | 時価総額 |
1 | エクソン | 795億$ |
2 | ウォルマート | 736億$ |
3 | GE | 730億$ |
4 | NTT | 713億$ |
5 | アルトリアグループ | 693億$ |
6 | AT&T | 680億$ |
7 | コカコーラ | 549億$ |
8 | パリバ銀行 | 545億$ |
9 | 三菱銀行 | 534億$ |
10 | メルク | 499億$ |
合計 | ー | 6,474億$ |
1992年の一覧を見ると日本の企業が2社含まれており、このころはまだ日本の世界的な地位が高かったというのが分かりますね。
バブルがはじける前の1989年だとNTTは世界の時価総額トップで、その他も世界の時価総額上位はほとんど日本の企業が独占状態でした。
また、日本以外の銘柄を見ると石油・小売・タバコ企業など昔ながらのシーゲル銘柄が上位を占めており、当然ながらIT関連企業などは世の中に生まれてすらいません。
2018年の世界時価総額上位10銘柄
続いて2018年の世界時価総額上位10銘柄と時価総額の一覧です。
順位 | 銘柄 | 時価総額 |
1 | アップル | 9409億$ |
2 | アマゾン | 8800億$ |
3 | アルファベット | 8336億$ |
4 | マイクロソフト | 8158億$ |
5 | フェイスブック | 6092億$ |
6 | バークシャー | 4925億$ |
7 | アリババグループ | 4795億$ |
8 | テンセント | 4557億$ |
9 | JPモルガン | 3740億$ |
10 | エクソン・モービル | 3446億$ |
合計 | ー | 62,258億$ |
2018年の一覧を見ると日本の企業は一社も含まれておらず、IT関連のアメリカの有名企業が上位を独占しているのが分かります。
また1992年の一覧表には見られなかった中国の企業が2社ランクインしています。
さらに1992年の時価総額上位10銘柄合計は6,474億$でしたが、2018年は62,258億$と約10倍に膨れ上がっています。
26年かけて世界経済が成長し、時価総額も大きくなっているのが分かります。
時価総額加重平均型指数のメリットとデメリット
メリット
時価総額加重平均指数に投資するメリットは何といっても時価総額の高い銘柄順に自動で組み入れ比率を調整して投資してくれるということです。
先ほどの1992年と2018年の時価総額トップ10位までを比較したとおり、2018年にトップ10位に入った企業は1992年の段階では存在すらしていなかった企業がほとんどです。

1992年の段階で20数年後にこのような世の中になることを予測できたでしょうか?
またこれまでも未来が予測できなかったように、今後も世の中の変化を予測するのは同じように難しいということです。
ITの登場以降世の中の変化のスピードはますます加速していっており、現在考えられるだけでも今後は電気自動車やAI関連企業、培養肉などの食品関連、宇宙進出など様々な産業が成長していきそうです。
また世界のGDPの成長予測を見ると中国やインドの企業が大きく成長してくるであろうことは容易に予測できます。
※引用 日本経済研究センター
しかしながらこれらの事実を知っていたとしても自分で個別銘柄を分析し、成長する企業を見つけ出すのは至難の業であり、労力もハンパないですね。
そこで時価総額加重平均指数に連動する投資信託やETFに投資しておけば、自分で銘柄分析や情報収集をする必要がなく、世界の成長の恩恵を受けることができます。
これが時価総額加重平均指数に投資する最大のメリットです。
また昨今の傾向からわかるように時価総額でトップを占めるのはIT関連企業を中心としたグロース株ばかりです。
なのでGAFAを中心としたグロース株の急成長の恩恵を受けることもできます。
デメリット
デメリットは時価総額の大きい企業ほど大きな割合で投資することになるので、時価総額の大きな企業の業績の影響を受けやすいということです。
現在でいうとGAFAが上位を独占していますが、これらの企業が各国の規制などで業績が悪化するとその影響をもろに受けます。
あとは指数(インデックス)に投資するというのは市場平均しか投資成果を上げられないということです。
例としてAmazonが上場した2007年からS&P500(VOO)との配当込みの比較チャートを掲載します。
Amazonが緑、S&P500(VOO)が青色です。
2007年以降S&P500は2.3倍しか上昇していないのに対して、Amazon株は18.9倍と爆発的な上昇率です。
このように時価総額加重平均型のデメリットは個別株の集中投資のように爆発的な利益を望めないところです。

まとめ
世界で多くの国や数々の投資信託、ETFが採用する時価総額加重平均型指数について解説しました。
時価総額加重平均指数に連動する商品に投資する最大のメリットは、
ところ、というのがわかったかと思います。
何も考えず自動で組入れ銘柄を入れ替えてくれるというのはありがたいです。
指数に連動する商品への投資なので、それだけで多くの銘柄に分散投資することにもなるので安心ですね。