
株式投資のキャピタルゲインとインカムゲインの違いは?
どっちをねらうのが良いのかなぁ。
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- キャピタルゲインについて解説
- インカムゲインについて解説
- キャピタルゲインとインカムゲインはどっちをねらうのが正解か?
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
株式投資を始めたての頃は、キャピタルゲインやらインカムゲインやらいろんな分からない言葉が出てきます。
そしてネットや本を読んでも
「株式投資といえばキャピタルゲインでしょ!」
とか
「いやいや安定的に利益を見込めるインカムゲインが良い!」
などいろんな意見があります。
確かに値上がりを期待するのか安定を期待するのかによって個々人によって違いがあるため、両方の意見があるのは当たり前です。
今回の記事ではキャピタルゲインとインカムゲインの解説と過去の配当込みの実績を元にどっちがいいのか個人的な意見を書きたいと思います。

株式投資を始めたけどキャピタルゲインを狙うのかインカムゲインを狙うのかで迷っている方は参考にしてください。
そもそも投資を判断するときの株価が安いのか高いのかを判断する方法ついては✅株価が高い安いを客観的に判断する方法、PBR・PER・ROEの基本指標について解説。をご覧ください。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインというのは株式投資で利益をあげる王道の方法で、買った株式の株価が買値よりも高くなった時に売却し、その値上がり益を得ることを言います。
トヨタ自動車株を例に説明
具体的に再びトヨタ自動車を例にとって説明します。
以下のチャートはトヨタ自動車の値動き(2018年10月〜12月初め)をあわらしています。
チャート上に描いたように6,400円で買って、7,000円で売却したと想定します。
買値と売却時の株価の差額は、7,000ー6,400=600円となります。
そして最低単元株数である100株を買ったとすると、600円×100株=60,000円の利益という計算です。
まとめると以下の表のようになります。
短期売買で利益を出し続けるのは難しい
これだけ見ると非常に簡単そうですね。

私は株式投資を始めた時、自分が買った価格よりも高くなってから売れば利益が出るのだから、ちょっと高くなれば売るというのを積み重ねれば相当な利益が出るんじゃないか?と考えました。
イメージとしてはこんな感じです。
矢印のところで利益が出るイメージです。
おそらくビギナーズラックでこんな売買が出来れば、自分は天才だと思ってしまうでしょう。
ところがこれには落とし穴があります。
株価というのは長期投資かつ優良株への投資であれば、右肩上がりになりやすいのですが、短期で考えると急落することも頻繁にあります。
先ほどのチャートを1ヶ月分時間軸を進めてみます。
昨年末実際に急落しました。
甘くみてると大きな損失となってしまいます。
また投資を始めたばかりの時にやりがちなのが、ナンピン買いです。
ナンピン買いというのは、自分が最初に買った株価よりも安くなったため、追加で無計画に買い増しし、買値の平均を下げることです。
買値の平均が下がるのでなんとなく良いような気がしますが、いつ株価が下げ止まるか誰にもわかりません。
最悪の場合、自分の買っている企業が倒産して投資資金がゼロになることや下落が怖くて大底で売るなんてこともよくありえます。
今の時代どれだけ優良な企業であっても倒産する危険性はあります。
例えば東京電力、東芝、シャープのように超優良企業と思われていた企業が突然急落してしまったりするようなケースです。
含み益と含み損
続いては含み益と含み損についてです。
含み益というのは、自分の買値よりも株価が高くなっていて、利益がのっている状態のことです。
まだ株式を売却していないので、想定利益のようなものです。
含み益の状態の時は、もっと利益が伸びるんじゃないか?とか下がったらどうしよう?とか利益が出ていてハッピーな状態のはずなのに、これはこれでストレスだったりします。
そして一時的に利益になったとしても、利確をせずに買値よりも下がってしまい損失で終わることも多々あります。
このように利益を確定(利確)するタイミングが分からないものです。

私が今やっている投資は、全て永久保有することを考えているので、利確に悩むストレスとは無縁になりました。
含み損とは、含み益とは真逆で買値価格よりも株価が下がっている状態のことです。
含み損状態になると、「なんとか上がれ〜」と念仏を唱えるようになります。
そして買値よりも大幅に株価が下がり、損失が大きくなると次第に心は無になり、買ったことを無かったことにするようになります。
これが塩漬けというやつです。

私もこれまで数々の銘柄を塩漬けにしてまいりました。
そしてやりがちなのが、ぐ〜んと下がったところで損切り。
損切りするとこれまた意外とすっきりして気持ちよかったりします。
そしてありがちなのが、損切りした後の急上昇!!!
先ほどのトヨタ株のチャートをさらに時間軸を進めてみます。
これは2018年末の実際のチャートです。
世界的に株価が下落している最中でしたから、底値で損切りした方も多かったと思われます。
しかし、その後株価は上昇しました。

損失が続くと自分と逆の行動をすれば、絶対に利益が出せると思ったことがあります。
そしてこれから下がると自分が思ったら、本気で逆に買おうかと思ったことさえありますw
インカムゲイン
インカムゲインというのは、配当金であったり株主優待をもらえる銀行預金でいうと金利のようなものです。
株主優待は、ママチャリで疾走し株主優待を使いまくる桐谷さんで有名ですね。
ただ私は株主優待を目当てに投資をしたことはありませんので、配当金についてお話しします。
アメリカは配当金をたくさん出す企業が多い
配当金は企業が利益が出た中から、株主に還元することを目的に行います。
ただ企業としては利益を配当に回すよりも、今後の成長に投資してライバル会社に差をつけたいという企業もあります。
特にハイテク企業と呼ばれるApple、Amazon、Googleなどはほとんど配当を出しません。
一方黙っていても利益が出せる生活必需品や食品会社などは配当をたくさん出す傾向があります。

こういった企業は商品開発に利益をまわしてもそこまで企業の成長が見込めないため、株主に還元することで企業価値を上げるという戦略です。
Coca-Colaは利益の80%ほどを配当金に回しており、過去50年以上連続で増配しています。
増配というのは、前の年より多くの配当金を出すということで、Coca-Colaは50年以上連続で配当金を上乗せして支払っているということです。
アメリカにはこのような企業が100社以上ありますが、日本では20年増配している花王の1社だけです。
配当に関する考え方が違いすぎますね。
アメリカでは連続増配企業が配当を減らそうものなら株主から大バッシングを受けて、大問題になるでしょう。
重要な配当利回り
ちなみに配当金はこれまた多い少ないだけで判断するのではなく、投資した金額に対してどれぐらい配当金を出しているかの率で判断する必要があります。
これは配当利回りと呼ばれていて、銀行の金利みたいなものです。
再びトヨタ自動車株を例に考えてみます(2019年1月30日時点)。
項目 | 株価 | 1株当りの配当 | 配当利回り |
トヨタ自動車 | 6,639円 | 220円 | 3.13% |
配当利回りの計算は220円÷6,639円=3.13%です(税金は考えていません)。
またこの配当利回りは株価によっても、配当金によっても変わってきます。
例えばトヨタ自動車の配当金が同じ1株当り220円で、株価が6,639円→6,000円になったとします。
項目 | 株価 | 1株当りの配当 | 配当利回り |
トヨタ自動車 | 6,000円 | 220円 | 3.67% |
すると配当利回りは、上記の表のように3.7%に上昇します。
配当利回りが上昇するイメージ図は以下の通りです。
分母の株価が小さくなると配当金が変わらなくても、配当利回りが上昇するのがわかります。
株価が下がって配当利回りがよくなったことで、旨味が出たと判断した投資家の買いが入ることで株価が上がることもあります。
その逆もまた然りで、この辺は金利や国債などと同じ原理が働きます。
いずれにしても配当金を再投資することで、さらに保有する株価が増え、それによってまた配当金も増えるという上昇スパイラルを作ることもできます。
株価の値上がり益を狙うキャピタルゲインとは違って半ば強制的にお金が入ってきますので、世界的に株価下落となってもこの配当金がもらえるのはありがたいことです。
キャピタルゲインとインカムゲインどっちをねらう?
キャピタルゲインとインカムゲイン、どっちをねらえば良いのかという正解はありません。
冒頭にも書いたように個々人によって株式投資で値上がり益を求めるのか安定性を求めるのかで異なってくるからです。
ただ株式投資の目的は利益を出すことなので、配当金を考慮した形でここ10年程度の実績を知ることは重要です。
ここでは米国を代表する3つのETFの成績を確認してみたいと思います。
比較するETFは以下の3つです。
銘柄 | 投資対象 | 配当金 | 戦略 |
QQQ | ハイテク企業中心 | 少ない | キャピタルゲイン |
VYM | 高配当株 | 多い | インカムゲイン |
VOO | S&P500へ投資 | 中ぐらい | 中間 |
VOOはS&P500に投資する商品で、S&P500にはハイテク株、高配当株がごちゃまぜになっているのでキャピタルゲインとインカムゲインの中間として取り扱いました。
これらの結果は以下の通りです。QQQ(緑)、VYM(青)、VOO(黄)。
結果としてはQQQ>VOO>VYMでした。
この結果から一概にQQQのようにキャピタルゲインをねらうのが正解とは言えないものの、無視できない結果です。
インカムゲインの説明を見ると大抵は「変動率が小さく、株価暴落時でもインカムゲインがあると利益が安定する」となっています。
配当金はすぐにもらえて人間の本能的にも嬉しいもので、さらにこのような説明をされると
「なるほどインカムゲインいいじゃん!」って突っ走りたくなります。
しかし、株式投資の目的である「利益を出すこと」という原点に立ち返ると、先程のグラフの実績は無視できないものがあります。
なので私の戦略としては、キャピタルゲインをメインとしてインカムげインをちょっとだけという感じで行っています。
まとめ
キャピタルゲインとインカムゲインの解説と株式投資を行うにあたってどっちが良いのか?個人的な意見を書きました。
一番良いのは両方ともちょっとずつやってみてどっちが自分の性格にあっているのかを自分で確認することをオススメします。
自分で納得した方法であれば、相場がどう動こうが大きく動揺することがなくなります。
ぜひお試しください。