
金利について知りたいなぁ。
金利はどうして変動するの?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- 金利について分かりやすく解説
- 金利が変動する理由
- 金利と為替の関係
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
今回の記事では経済に一番影響を与えると言っても過言ではない「金利」について解説します。
まずは金利がどういうものなのか、個人にとって身近な住宅ローンや、企業がなぜ銀行からお金を借りてビジネスをするのかを解説します。
そして金利が景気や物価の影響をどういう風に受けるのかを解説します。
また金利が変動することで為替にどのように影響を与えるのかを解説します。

金利は私たちの生活に直結するだけでなく、投資をする方にとってはその国の経済状態を覗き見ることができる指標になるので、知識として知っておくことは役に立ちます。
金利について分かりやすく解説
銀行はお金をたくさんの人から集めて、個人や企業に利子付きで貸し出します。
利子というのは借りたお金を返すときに元金に上乗せして返す、いわば手数料のようなもので、利子を元金の割合で表したものが金利です。
銀行としては大切なお金を回収できないかもしれないというリスクを負いながら貸し出し、その見返りとして利子を得ることで利益を出すというビジネスモデルです。
では銀行から金利を払ってまでお金を借りる理由はなんでしょうか?
個人が住宅ローンで銀行からお金を借りる場合と企業が設備投資のためにお金を借りる場合を例にわかりやすく解説します。
個人が住宅ローンを組むのはなぜか?
一般的なサラリーマンがマンションや戸建住宅を買おうとすると一般的に銀行からお金をかりて住宅ローンを組みます。
なぜかというと住宅は安くても2,000万円以上の値段になるため、一般のサラリーマン家庭がそれだけの貯金を持っていることは非常に稀です。
銀行からお金を借りて住宅ローンを組めば、月々数万円の返済額で自分の好きなマンションや戸建住宅に住むことが可能です。
3,000万円のマンションを全額借り入れ、金利1%、返済期間35年でシミュレーションをしてみました。
※引用;住友不動産販売ローンシミュレーション
この結果からすると月々84,686円の支払いで3,000万円の家に住むことができます。
金利として支払う分は35年間で5,568,120円、毎月の金利は13,257円です。
銀行からお金を借りなければ、自分の貯金で住宅を買うのは何年も先になりますが、金利を払えば自分の貯金額以上のマンションや戸建住宅を買うことができるというのが、住宅ローンのメリットです。
企業はどうして銀行からお金を借りるのか?
続いて企業がお金を借りる場合を考えてみます。
A商店は自分の貯金で商売をし、B商店が自分の貯金プラス銀行からの借り入れで商売をする場合を考えてみます。
- 【A商店】貯金1000万円、利益率10%
- 【B商店】貯金1000万円、借入1000万円、利益率10%、金利3%
A商店、B商店ともに事業に投入した資金の10%の利益が上がるビジネスモデルですが、以下のように1年後の利益に差が出ているのがわかります。
B商店のように銀行からお金を借りて金利分の利子を払ったとしても、たくさんの利益が残っているのがわかります。
自分の投入した資金量1000万円からすると10%の利益が出るビジネスモデルのはずが、利益率が17%まで増えているのがわかります。
このように優良なビジネスモデルを確立している起業家であれば、銀行からたくさんお金を借りて事業を回していったほうが利益がたくさん出て有利になるわけです。
ここまでで、金利を払ってお金を借りることで個人や企業にメリットがあることを説明しましたが、金利が上がったり、下がったりすると借りる側にも貸す側にも大きな影響がでます。
続いては金利が上がったり、下がったりする要因となる景気や物価などとの関係を解説します。
金利はなぜ変動する?
金利の変動は単純に考えると、お金が必要とされると金利が上がり、お金を必要でないとなると金利は下がり、お金の需給関係で上下すると考えるとわかりやすいです。
景気の影響
金利が景気の影響を受けると以下のように動きます。
- 景気がいい時→金利上昇
- 景気が悪い時→金利下落
景気がいいということは企業側としてはたくさん物を作ってたくさん売ったほうが利益が上がるため、銀行からたくさんお金を借りて事業を拡大しようとします。
お金を必要とされ、お金の需要が上がるため、金利は上昇します。
一方景気が悪いと企業としては物を作ったとしてもあまり売れないため、銀行からお金を借りず、事業の拡大も考えません。
お金が必要とされないので、金利は下落します。
物価の影響
金利が物価の影響を受けると以下のように動きます。
- 物価が上昇→金利上昇
- 物価が下落→金利下落
マンションを買う場合を例に考えると、マンションの値段が上がる時はこのまま待っているとどんどん上がってしまうため、上がる前の安いうちに買おうとします。
そうするとマンションの売れ行きはよくなり、マンションを売る側としてももっとマンションを建てて売ろうとします。
物価が上昇する場合はお金の需要はどんどん大きくなり、金利は上昇します。
逆に物価が下落する状況では、もっと安くなってから買おうと考えるようになり、物を買い控える行動になります。
物が売れないと企業も新たに設備を投資したりすることも少なくなるため、お金の需要が少なくなり、金利は下落します。
金利の変動と為替の興味深い関係
続いて金利と為替の興味深い関係をみてみます。
金利は各国の中央銀行(日本の場合は日銀)が経済の状況やインフレ具合をみて決めます。
景気をよくしたい場合は、銀行に預けるより市場にお金が出回るよう金利を下げます。
逆に景気がバブル期のように加熱しすぎる場合は、銀行にお金を預けた方がメリットが出るように金利をあげて、市場からお金を回収します。
こんな感じで中央銀行が金利を調整するわけです。
では実際に金利の上下によってどのように為替に影響するかみてみます。
以下のグラフはアメリカとオーストラリアの政策金利の推移です。
リーマンショック後アメリカはすぐにゼロ金利政策を取りましたが、オーストラリアは徐々に下げていきました。
その後アメリカは景気の回復に合わせて2016年初めから徐々に金利を上昇させ、2018年3月にはとうとうオーストラリアの金利と逆転しました。
この金利の変動とAUD/USDのチャートを比較してみてみます。
上がAUD/USD、下が金利の差(豪州金利ー米国金利)のグラフです。
グラフ中の矢印の部分で、金利が上昇するとAUD/USDも上昇、金利が下落するとAUD/USDも下落しているのが見て取れるかと思います。

それだけ金利と為替が密接に関係しているということですね。
まとめ
金利についての解説と金利がどうして変動するのかを解説しました。
また金利と為替が長期的には連動するという点をグラフで比較しました。
金利の動向を見ていると、現在の経済の状態や将来の経済の状態をおぼろげながら予想することができます。
リーマンショック後、世界では超低金利が続いていますが、今後どういう風に金融政策をとっていくのか楽しみですね。