
似たような投資信託で手数料が安い商品がどんどん出てくるんだけど、どうすればいいの?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- どんどん出てくる優良な投資信託
- 投資信託の手数料の違いによるパフォーマンスの違い
- 投資信託のわずかな手数料を気にするより大切なこと
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
一昔前までは投資信託といえば日本の株式に投資する商品が多く、海外の株式に投資する商品は数が限られ、信託報酬も高い物しかありませんでした。
しかし最近は楽天やeMAXIS Slimシリーズ、SBIなどからどんどん新しい商品が設定され、より安い信託報酬の商品が投入されるごとに「今投資しているものから乗り換えた方がいいのか?」と悩んでしまいます。
今回の記事では、どこまで信託報酬にこだわる必要があるのかを長期のパフォーマンスから見てみたいと思います。
またわずかな信託報酬を気にするよりも大切なことについても解説します。

信託報酬が気になって仕方ない方は参考にしてみてください。
どんどん出てくる優良な投資信託
今回の記事では、海外に投資する投資信託のうち、米国株式に投資する商品について確認してみたいと思います。
現在米国株式に投資できる投資信託のうち、設定日が古いものから最近のものまで主要なものをピックアップしてみました。
銘柄 | 投資対象 | 管理費用 | 設定日 |
SMTAMダウ・ジョーンズインデックスファンド | NYダウ | 0.759% | 2009/4/30 |
eMAXIS NYダウ | NYダウ | 0.66% | 2013/8/7 |
iFree NYダウインデックス | NYダウ | 0.2475% | 2016/9/8 |
楽天・全米株式インデックスファンド | 全米株式 | 0.162% | 2017/9/29 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | S&P500 | 0.0968% | 2018/7/3 |
SBI・V・S&P500 | S&P500 | 0.0938% | 2019/9/26 |
SBI・V・全米株式 | 全米株式 | 0.0938% | 2021/6/29 |
これらの投資信託の管理費用だけを取り出してグラフで比較してみます。
さすがに2009年に設定された「SMTAMダウ・ジョーンズインデックスファンド」は管理手数料が0.759%と非常に高いですね。
でも当時はたった1%弱の管理手数料を払えば米国株式に投資できる画期的な商品だったんでしょう。
管理手数料の価格破壊が起こったのは、楽天が「楽天・全米株式インデックスファンド」に代表されるバンガードシリーズを取扱い始めた2017年以降でしょう。
その後業界最安の手数料をうたうeMAXIS Slimシリーズ、SBIのVシリーズが新しく設定され、管理手数料は0.1%を切る時代となってきました。
手数料の違いによるパフォーマンスの違い
では投資のセオリーとしては毎年かかる手数料は安いほうが良いのですが、管理手数料の違いによってどれぐらいパフォーマンスが異なってくるのかを見ていきましょう。
シミュレーションの条件としては、毎月5万円積立、積立期間は40年間、年利5%の利益、管理手数料を0.1%〜0.5%まで0.1%ずつ変えてみます。
結果がこちら。
管理手数料 | 0.10% | 0.20% | 0.30% | 0.40% | 0.50% |
10年後 | 788万円 | 784 | 779 | 775 | 770 |
20年後 | 2,059万円 | 2,036 | 2,013 | 1,990 | 1,967 |
30年後 | 4,111万円 | 4,037 | 3,965 | 3,894 | 3,825 |
40年後 | 7,420万円 | 7,235 | 7,055 | 6,881 | 6,711 |
グラフで表示。
グラフをみてわかるように、全体的になんとなく誤差程度です。
特に管理手数料0.1%しか変わらないとすると、40年たっても7000万円中のたった200万円弱の違い。
誤差です。
さすがに0.5%も管理手数料が違うと700万円程度の違いが出るので、それぐらいは気にした方がいいですね。
でも今は管理手数料は高くても0.2%程度の商品しかないので、正直手数料は気にしなくても良いと言えます。
わずかな手数料の違いを気にするより大切なこと
0.2%程度の手数料の違いは長期のパフォーマンスにそれほど影響を与えないと解説しました。
それよりももっと重要なことがあります。
それは、毎月の積立金額・年率・投資年数です。
先程の毎月5万円積立、年率5%、管理手数料0.1%をベースに積立金額・投資年数・年率を少しずつ変えてシミュレーションしてみました。
積立金額 | 毎月5万円 | 毎月6万円 | 毎月5万円 |
年率 | 5% | 5% | 6% |
10年後 | 788 | 946 | 834 |
20年後 | 2,059 | 2,471 | 2,312 |
30年後 | 4,111 | 4,933 | 4,936 |
40年後 | 7,420 | 8,904 | 9,590 |
グラフ。
毎月の積立金額をたった1万円多くするだけで40年後には1500万円の違い、パフォーマンスを1%アップさせるだけで2000万円以上の違いになりました。
そして投資年数が長ければ長いほど、資産が増加するのは言うまでもありませんね。
要はできるだけ早くから投資を始め、毎月1万円でも多く投資し、ポートフォリオを調整して1%でもパフォーマンスを上げる。
これらを考える方が、投資信託の信託報酬にこだわるよりも大切だと言うことです。
投資信託の手数料よりも大切なこと
- 毎月の投資金額を多くする
- ポートフォリオを調整し年率を上げる
- 長い間投資する
まとめ
投資信託の管理手数料にどこまでこだわる必要があるのか?という観点から記事を書いてみました。
結果を見てわかるように、0.2%程度の手数料は誤差でした。
もちろん今から投資を始めるのであれば、手数料は安いに越したことはありません。
ただそんなに気にする必要もないというのが結論です。
それよりも毎月無駄な出費を減らして、1万円でも多く投資した方が得策ですね。
どうせこだわるなら、そっちを真剣にこだわりましょう。
参考にどうぞ
