今回の記事では、【世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業(Nami barden著)】という本に書かれている悩みを小さくする4つのステップを紹介します。
Amazonのレビューの高さとプライム会員なら無料で見れるというお得感に惹かれこの本を読むことになりました。
この本では、だれでもすぐにできる簡単な4つのステップを使って悶々と悩みを抱える状態から解放し、人生を幸福へと導く具体的なノウハウを提供してくれます。
私はこの本を読み進めていくだけで、なんとなく悩みが小さくなっていくという不思議な感覚になりました。
今は悩みやプレッシャーを感じることがあると、この本で学んだ4つのステップを用いてそれらと正しく向き合えるようになりました。

この本に書かれていた具体的なハウツウを含めたエッセンスを簡潔にまとめますので、読んでみてください。
心は大きく2つの状態に分けられる
心の状態には、喜びや悲しみ、冷静や怒り、欲望などさまざまあります。
この本ではさまざまな心の状態をシンプルに表現すると「美しい心の状態」と「苦悩の心の状態」の2つの状態に分けられるとしています。
もっと簡単にいうと「心地良い」か「不快」かということですね。
美しい心の状態とは
「美しい心」の状態とはどういうものなのか、本書から引用します。
「美しい心」とは、「心に何の曇りもないスッキリとクリアな感覚」です。
この状態では、
- 感覚が研ぎ澄まされ、人の心の機微や変化に気づくことができる
- 思考がクリアになり、物事の判断が早くなる
- 問題を解決するための画期的なアイデアが自然と出てくる
- 人を批判することなく、受け入れることができる
- 心の底から幸福感や満足感が湧き上がってくる
- 虚勢を張ることなく素直な自分でいられる
- 自然と感謝の心が生まれてくる
といった特徴があります。
で、この「美しい心」の状態になるには今ここに集中できているからです。
どこかで聞いたことがある言葉ですね。
今ここに集中できている状態というのは、以下の記事で紹介したマインドフルネスですね。

マインドフルネスによって「美しい心」の状態になれる理由は、目の前の状況に集中している時はネガティブな感情が入り込まないからです。
その状態が続くと、喜びや感動を味わいやすくなります。
この本での目標はマインドフルネスですが、悩みを抱えている状態ではなかなか目の前のことに集中することはできません。
そのためマインドフルネスの前段階として、悩みを解決する具体的な4つのステップを使うというものです。
苦悩の状態とは
続いてもう一つの「苦悩の状態」とはどういうものかについてですが、それは「美しい心」以外の状態としています。
要は目の前のことに集中することなく、悶々と悩んでいるような状態ですね。
じゃあその苦悩というものの根本がどこからくるのか、本書に分かりやすく解説してあったので引用します。
私たちの苦悩を生み出しているのはすべて、心の内に抱いている「自分はこういう人であるべき」「自分はこういう人であらねばならない」という理想像(願望)です。
思い描いている理想像や、こんな人になりたいという願望に対して現実が追いついていないとき(ギャップが生まれたとき)、苦悩が生まれるのです。
上記にあるように仕事や家庭でも自分が「こうしたい」とか「こうだろうな」と思っていることと違う反応をされると「イラッと」することがあります。
結局は、起こった事象に対して自分が持っている理想像フィルターを通して物事を捉えて心が反応し、怒ったり悲しんだりしているということです。

4つのステップは、その自分が持っている理想像フィルターを冷静にチェックし、物事に対して正しく対応する方法を教えてくれるというものです。
悩みを解決する4つのステップ
では本書で紹介されている「苦悩の状態」から「美しい心の状態」へと持っていく4つのステップを紹介します。
- ステップ1;自分が苦悩の状態であると気づく
- ステップ2;深層意識にある心の声を見つける
- ステップ3;苦悩の本当の正体を特定する
- ステップ4;衝動的な行動から正しい行動へ
たったこれだけです。簡単そうですね。
4つのステップを理解するのに良くありそうな具体例を使って説明します。
【悩みを抱えている状態の例】
- 中学生の子供に塾に行かせているのに成績が上がらずイライラしている状態
ステップ1;苦悩の状態であることに気づく
ステップの1つ目としては自分が「苦悩の状態」にいることに気づくというだけです。
今回の場合は「息子の成績が上がらないことで自分がイライラしてるなぁ〜」ということに気づくというだけです。
とてもに単純ですね。
何かに「イラッと」したら、そのことに気づくだけというのがこのステップです。
ステップ2;深層意識にある心の声を見つける
2つ目のステップは「イラッと」したことに対して、頭の中の声を15個以上あげるというものです。
今回の例では「中学生の子供に塾に行かせているのに成績が上がらずイライラしている状態」に対して考えられる心の声をあげてみます。
- いつから塾に通ってると思ってんだ?
- もっと自発的に勉強できないものか?
- やる気がないんじゃないのか?
- 息子のことを思って心配しているのに
- いちいち勉強しろとか言いたくないんだけど
- そもそも塾なんかやめてしまえばいんじゃないのか?
- なんでいつも言わないと勉強しようとしないんだろう?
- 自分が中学生の頃はもっと成績良かったぞ
- 良い高校に行かないと将来後悔するんだぞ
- だいたい塾代いくらかかってるか分かってるのか?
- 同僚の子供は良い高校に入ったぞ
- 世間体もあるんだから頑張れよ
- 仕事も大変なのに、家庭のことで悩ませないで欲しいな
- 本当に息子のことを思っているのか?
- なんで家庭でもイライラしてるんだろう
15個の心の声を書き出してみました。
やってみると分かりますが、15個も心の声を絞り出すのって結構大変です。
でも、この絞り出すということで自分の深層心理に隠れている本当の声が出てくるようです。
ステップ3;苦悩の本当の正体を特定する
ステップ3では、ステップ2で上げた心の声のうち自分中心の意識から出てきたものの割合を特定し、苦悩の元である自分が無駄に執着していた理想像をあぶり出します。
先ほどあげた15個の心の声の右側に自分中心の意識かどうかをコメントします。
- いつから塾に通ってると思ってんだ?→自分を中心にして相手に共感を求めている
- もっと自発的に勉強できないものか?→自分を中心にして相手の非を責めている
- やる気がないんじゃないのか?→自分の考え
- 息子のことを思って心配しているのに→自分を中心にして「自分は」そう思っている
- いちいち勉強しろとか言いたくないんだけど→自分中心。自分のことを考えている
- そもそも塾なんかやめてしまえばいんじゃないのか?→自分の考え
- なんでいつも言わないと勉強しようとしないんだろう?→自分を中心にして相手の非を責めている
- 自分が中学生の頃はもっと成績良かったぞ→自分を中心にして相手に共感を求めている
- 良い高校に行かないと将来後悔するんだぞ→自分を中心にして相手に共感を求めている
- だいたい塾代いくらかかってるか分かってるのか?→自分の心配
- 同僚の子供は良い高校に入ったぞ→自分中心。自分の世間体を気にしている
- 世間体もあるんだから頑張れよ→自分中心。自分の世間体を気にしている
- 仕事も大変なのに、家庭のことで悩ませないで欲しいな→自分を中心にして相手に共感を求めている
- 本当に息子のことを思っているのか?→自分中心。自分のことを哀れに思っている
- なんで家庭でもイライラしてるんだろう→自分中心。自分のことを批判している
これを見て分かりますが、苦悩の状態から出てくる思考のほとんどが自分中心の考え方になることが多いようです。
これは良い悪いではなく、どれぐらいが自分中心の思考になっているのか確認することが重要とのこと。
そして次に行うのは、この苦悩の原因となっている自分が執着している理想像の正体を知ることです。
今回の場合の執着している理想像としては「仕事も子育ても100点満点の成功者」というところでしょうか。
あら〜、痛いですね。
そもそも100点満点なんて不可能ですし、そうなる必要もありません。
「あれ、俺こんなことに執着してイライラしてたんだぁ〜。そりゃ無駄だな」と思うことも多くあります。
ステップ4;衝動的な行動から正しい行動へ
4つ目のステップでは、自分が知らず知らずのうちに執着してしまっていた理想像から離れて、正しい行動を選択するというものです。
息子の成績が上がらないのは何か理由があるはずです。
親であり息子の幸せを考えるなら頭ごなしに怒ったりするよりは、まずはその原因を聞いたほうが良さそうですね。
成績が上がらない理由はいろいろとあると思います。
- 塾のやり方が自分にあっていない
- そもそも勉強が好きでない
- 親からの過度なプレッシャーを感じる
- 学校生活で別の問題を抱えている
なかなか本当の理由を知るのは難しいかもしれませんが、少なくとも苦悩の元となる理想像にしがみついてイライラとしているよりは現実的な解決に向かう気がします。
正しい行動を取れない時は、苦悩の元となる理想像から離れるだけでも良いようです。
まとめ
【世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業】に書かれている4つのステップのエッセンスだけを取り出してまとめました。
4つのステップ自体は非常に簡単で実践的なので、私生活でも頻繁に利用することができます。
しかも実際に4つのステップを何回か行うと自分の心の傾向も大体わかってきます。
そうなると悩みに対しても、どこか客観的に距離を取って見れるようになり、少しづつ楽になる感覚があります。
興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。
さて、悶々と悩むことから抜け出した後はどうするのか?
先にもちょっと書きましたが本書には「今ここに心を向けて人生をありのままに楽しむことに集中する」とありました。
マインドフルネスってやつですね。
実は私はこの本でマインドフルネスに興味を持ちました。
というわけで次回はマインドフルネスについて書きます。