
ETFってどういうものなのかなぁ。
投資信託と具体的に何が違うの?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- ETFとはどのような投資商品か
- 投資信託と比較したメリットとデメリットを解説
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
積み立てNisaの制度が特に若い方を中心に広がり、投資というものがだいぶ身近なものになってきました。
積み立てNisaでは一部をのぞいてほとんどが投資信託への投資であり、ETFという投資商品については聞いたことがない方も多いかもしれません。
ETFは投資信託と似たような投資商品ですが、詳しくみると違う点もあります。
実際に私の投資先のほとんどがETFです。
今回の記事ではETFという投資商品がどのようなものか、また投資信託と比較したメリットとデメリットについて解説したいと思います。

ETFへの投資を考えている方は参考にしてみてください。
特に投資金額が大きくなる方はメリットが大きいと思うのでETFの投資を検討してみてください。
ETFはどのような投資商品か
ETFはExchange Trade Fundの略で上場投資信託とも呼ばれます。
通常の投資信託が1日一回計算される基準価格をもとに1日一回しか取引できないのに対して、ETFは株式と同じように証券会社の画面からリアルタムに価格を見ながら投資できるのが特徴です。
また投資先も日本だけでなく海外の株式インデックスや原油や金などの商品やREITや債券に投資するものなど様々なものがあります。
現在SBI証券で取引できるETFの銘柄数は以下の通りです(2019年7月時点)。
銘柄 | 銘柄数 |
日本のETF | 234銘柄 |
海外のETF | 304銘柄 |
またこれらの銘柄の中にはレバレッジをかけて取引が可能なものもあります。
レバレッジは少ない元手で大きな資金を運用できるので、うまく活用できれば大きな利益を得ることができます。
通常の株式だとレバレッジをかけるには信用取引になりますが、ETFだと普通の株と同じように売買できてレバレッジをかけることができます。
SBI証券のHPを開くといつも売買ランキング上位に日経レバETFというのが上位にランキングされていますので、人気なのがわかります。
ETFと投資信託を比較したメリット
まずETFのメリットから解説します。
リアルタイムに取引可能
ETFの特徴はなんといっても株式と同じようにリアルタイムで取引ができるところです。
投資信託だと1日に1回基準価額が更新されるだけなので、リアルタイムに株価を見ながら取引するということができません。
一方ETFは取引所が空いている時間であれば自由に売り買いができます。
以下の画面はSBIのETF取引画面です。
通常の株式の取引画面とまったく同じです。
また買ったあとは株式と同じようにすぐに保有ポジションと評価額が表示されるようになります。
コロナショックが起きた際に1日で10%近く値動きがありましたが、私はチャートをみながら追加投資することが出来ました。
この時はリアルタイムで取引できるETFは精神的に楽だなと感じました。
これが投資信託であれば、価格がいくらになるかわからない状況で、翌日まで待つ必要がありますからね。
運用手数料がやすい
ETFは投資信託に比べて運用手数料が安いという特徴があります。
運用手数料は投資信託では主に信託報酬と言われ一般的にETFより高めに設定されています。
実際にアメリカのETFの筆頭株であるVTI・VTとこれらを投資信託にした楽天VTI・楽天VTと運用手数料を比較してみます。
銘柄 | 投信 or ETF | 運用手数料 |
VTI | ETF | 0.03% |
VT | ETF | 0.09% |
楽天VTI | 投資信託 | 0.31% |
楽天VT | 投資信託 | 0.50% |
楽天VTI・楽天VTの運用手数料は信託報酬に隠れコストを加えた実質コストとしています。
この表を見るとETFの本家VTIについては運用手数料が0.03%と激安です。
100万円投資したとしても年間でたった300円の手数料しかかかりません。

これで全米株式に投資できるのですから、ものすごくいい商品ですね。
世界中で人気なのがわかります。
楽天VTIや楽天VTは100円から購入可能でノーロードファンドであるため購入時の手数料はかかりません。
しかしETFにはないこれらのメリットを受けるには当然ながら費用がかかってきます。
そして投資信託にかかるこれらの費用は知らず知らずのうちに隠れコストという形で投資信託に上乗せされており、これが投資信託の方が運用手数料が高くなる原因となります。
最近人気の投資信託は米国ETFに投資するものが多く、コストとしては当然ETFが安くなります。
新たに低コストの投資信託が出るたびに悩んでしまう方は、直接米国ETFに投資するとその心配がなくなりますよ。

投資金額が小さければ手数料の違いはあまり気にしなくていいと思いますが、投資金額が大きいと低コストにこだわりたいですね。
流動性が高い
ETFのメリットとして投資信託と比較して流動性が高いという点が挙げられます。
流動性が高いということは運用資産を見るとわかります。
再び本家VTI・VTと楽天VTI・楽天VTで比較してみます(2019年7月時点)。
銘柄 | 投信 or ETF | 運用資産残高 |
VTI | ETF | 10兆3,804億円 |
VT | ETF | 1兆1,038億円 |
楽天VTI | 投資信託 | 409億円 |
楽天VT | 投資信託 | 209億円 |
ETFの本家VTI・VTは世界中で取引されているので運用資産残高が比較にならないぐらい大きいです。
運用資産は多ければ多いほど流動性が多くなり、たとえ相場が大暴落したとしても逃げ切れる可能性があります。
また運用資産額が多いと途中解約の心配もすくなく安定性という面でも長期投資に適しています。
さらに運用資産が多いほど運用にかかる手数料も小さく設定することができます。
実際に本家VTIの経費率は0.03%という破格の低経費率です。
これだけ世界中で売れているということは、世界中の投資家からいい意味で監視されているということで安心感がありますね。

投資金額が大きく途中解約となると余計な税金を払うことになります。
そのため私は流動性の高さからくる安定性というのを重要視してETFを選んでいます。
ETFと投資信託を比較したデメリット
続いてETFのデメリットを解説します。
売買手数料がかかる
まずは米国株式を取り扱っている上位3つの証券会社を比較してみます。
項目 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
①通常手数料 | 0.45% | 0.45% | 0.45% |
②最大手数料 | 20ドル | 20ドル | 20ドル |
海外のETFを買う際はどの会社も買い付け金額の0.45%、最大20ドルまで手数料がかかります。
2019年7月から各社とも最低手数料5ドルが撤廃されて一律0.45%となり、海外ETFを買う投資家にとってはさらに投資環境がよくなりました。
売買単位が大きい
現在投資信託は100円から買うことができるようになりましたが、ETFの場合は最低でも1口は買う必要があります。
本家VTIだと1口あたり59ドル(約6,400円)の投資金額が必要です(2019年7月時点)。
さらに先ほど説明した買付手数料の関係上ある一定以上買わないと、手数料負けしてしまいます。
そのためETFを買うには手数料を考えると1口ではなくある一定以上のまとまった金額が必要になります。
分配金に課税される
ETFは投資信託のように分配金に税金がかからずに再投資というのができません。
日本のETFであれば分配金に対して20.315%の税金、海外のETFであればさらに10%が上乗せされて約30%の税金が加算されます。
ただ確定申告をすればある程度は税金は戻ってきます。
分配金を再投資して長期で投資することを考えている方であれば、途中で税金がかかることでパフォーマンスが下がることになります。

分配金は長期的にみた場合デメリットになります。
しかし実際に分配金をもらうとモチベーションが上がったりするので、一概にデメリットと言えないところがあります。
まとめ
ETFの特徴を投資信託との比較からまとめました。
ETFの魅力は運用手数料の安さと透明性、さらに世界中で取引されていることによる流動性の高さです。
長期投資家の中で特に投資金額が大きくなる方にとっては運用手数料の安さ、流動性の高さからくる安定性という面でETFがおすすめだと思ってます。