
JPモルガン・チェース(JPM)の株価・配当金について知りたいなぁ。
投資をするのに参考になるデータは?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- JPMは米国最大の銀行持株会社
- 2010年以降のS&P500との成績比較
- JPMの業績・配当・キャッシュフローの推移
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
米国高配当株の人気銘柄の一つであるJPモルガン・チェース(JPM)について分析を行います。
会社の基本情報から配当込みでS&P500との比較、利益や配当金の推移等をまとめます。
JPモルガン・チェースってどんな会社?
社名 | JPモルガン・チェース |
ティッカー | JPM |
設立年 | 1799年 |
セクター | 金融 |
従業員数 | 260,095人 |
連続増配年 | 11年 |
決算月 | 12月 |
PER | 10.57 |
直近配当利回り(税込) | 2.23% |
順位 | 企業名 | 国 | 自己資本 |
1位 | 中国工商銀行 | 中国 | 3,380億ドル |
2位 | 中国建設銀行 | 中国 | 2,870億ドル |
3位 | 中国農業銀行 | 中国 | 2,430億ドル |
4位 | 中国銀行 | 中国 | 2,300億ドル |
5位 | JPモルガン・チェース | アメリカ | 2,090億ドル |
6位 | バンク・オブ・アメリカ | アメリカ | 1,890億ドル |
7位 | ウェルズ・ファーゴ | アメリカ | 1,680億ドル |
8位 | シティグループ | アメリカ | 1,580億ドル |
9位 | HSBC HD | イギリス | 1,470億ドル |
10位 | 三菱UFJ銀行 | 日本 | 1,460億ドル |

地域別売上比率
地域別売上比率を見ると1位はアメリカを含む北米市場が75%と大部分を占めており、そのあとに欧州/中東/アフリカ、アジア/太平洋市場が続きます。
JPモルガンほど大きな企業だとなんとなく世界中で事業を展開しているイメージがありますが、このあと解説するようにメインは一般消費者向けの銀行業務であるため、アメリカの比率が多くなるのは理解できます。
そもそもアメリカには世界最大のNY証券取引所があるなど世界金融の中心なので、十分な利益がでるのでしょう。
セグメント別売上比率
JPモルガンの主要なセグメントは以下の4つです。
- 消費者向け銀行業務
- 商業銀行業務
- 投資銀行業務
- 資産運用業務
そして各セグメントの売上高の推移は以下のようになっています。
2019年までは「消費者向け銀行業務」が伸びていましたが、2020年には「投資銀行業務」が大きく伸びたのがわかります。
各セグメントについて詳しく解説していきます。
消費者向け銀行業務・商業銀行業務
「チェース」ブランドで事業展開している一般的に商業銀行と言われる分野です。
商業銀行というのは、簡単にいうと「預金を集めて企業に融資し、利ざやを稼ぐ商売」です。
日本でいうところの「みずほ銀行」などが行なっている一般的な銀行業務を扱う分野で、これらのセグメントだけで50%以上の収益を稼いでいます。
その他にも住宅ローン、自動車ローン、クレジットカード事業などを幅広く扱っています。
投資銀行業務
持ち株会社であるJPモルガン・チュース傘下のJPモルガンが投資銀行業務を担っています。
投資銀行と聞くとあまり馴染みがありませんが、日本でいうところの「野村證券」などの証券会社が行なっている業務と同じです。
具体的には企業に対して株式・債券市場における資金調達や、M&Aの仲介やアドバイスで利益を得ています。
証券会社のビジネスモデルは、JPモルガンが何かに投資をして利益を得ると言うのではなく証券売買などの仲介手数料を得るというものです。
資産運用業務
JPモルガンは銀行持株会社の中に富裕層を対象とした資産運用などの金融サービスを取り扱うJPモルガン・アセット・マネジメントという巨大なヘッジファンド部門を有しているのが特徴です。
世界のヘッジファンドの運用資産ランキング(2018年)をまとめました。
順位 | 名称 | 運用資産 | 投資戦略 |
1位 | ブリッジ・ウォーターアソシエイツ | 1,247億ドル | グローバルマクロ投資 |
2位 | AQRキャピタル・マネジメント | 899億ドル | 株式債券保守的運用 |
3位 | ルネッサンス・テクノロジー | 570億ドル | システムトレード |
4位 | JPモルガン・アセット・マネジメント | 477億ドル | 多様 |
JPモルガンは堂々の4位にランクインしてます。

ちなみに1位のブリッジ・・・を率いるのはレイ・ダリオ氏ですが、2017年の報酬は約1,000億円です。
すごい人もいるもんですね。
世界で事業展開している強みを活かし、幅広い資産に分散投資をして安定した成績をあげているのが特徴です。
またAIで投資判断がどのように改善されるか探るため、資産運用事業内に株式データサイエンス部門を設けるなど積極的な事業展開を図っています。
株価の推移とS&P500との利益比較
2010年10月〜2020年12月までのJPMとS&P500に連動するETFであるVOOの株価を比較します。
青線がJPMで緑線がVOO(S&P500)です。
10年間の株価上昇率をまとめると以下の通りです。
項目 | JPM | VOO(S&P500) |
株価上昇率 | 233% | 227% |
配当金を考慮しなくてもすでにJPモルガンがVOO(S&P500)よりも若干いい成績です。
2020年3月のコロナショックにより下がる前はJPモルガンの方がだいぶ良かったので、潜在能力はJPモルガンの方がありそうです。
続いてJPMとVOO(S&P500)の配当込みで比較してみます。
項目 | JPM | VOO(S&P500) |
配当込み上昇率 | 330% | 303% |
配当込みであればJPモルガンがさらにVOO(S&P500)の成績を引き離しているのがわかります。
業績
売上・当期純利益・利益率の推移
当期純利益、利益率ともに順調に増えており、利益率については25%以上と高いビジネスモデルを確率しているのがわかります。
2018年の結果を見ると、JPモルガンは純利益で年間3兆円以上を稼ぎ出す、凄まじい企業です。
EPS・DPS・配当利回りの推移
JPモルガンの連続増配は2010年に増配がなかったため連続増配年数は8年しかありませんが、2011年以降は順調に増配傾向であるのがわかります。
当時は世界金融危機の真っ只中であり、JPモルガンはあまり影響は受けなかったとはいえ、増配できなかったのも仕方なかったかもしれません。
配当性向・増配率
金融危機で配当性向が下がりましたが、2011年以降は25%以上で推移しています。
今後何年続くのか期待したいと思います。
キャッシュフロー
他の業界と比べるとキャッシュフローの増減が激しいですが、これは銀行業特有の貸出金や預金などの増減もキャッシュフローに反映されるためです。
そのためキャッシュフローのマイナスが続かない限り、参考程度に考えておくといいでしょう。
まとめ
JPモルガン・チェース(JPM)について分析をまとめてみました。
米国6大銀行と比較すると規模・収益ともに安定しています。
またS&P500との成績を比較してみても、S&P500を一時は大きく引き離すと言う潜在能力の高さです。
難点は株価が高すぎるというところでしたが、2020年の大荒れ相場によりだいぶ株価は下がってきています。
今がちょうど買い時かもしれませんね。
私が米国株投資をしている結果は以下の記事を参考にしてください。