【メルク:MRK】高配当米国株の銘柄分析〜株価・利益・配当〜

悩み
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メルク(MRK)の株価・配当金について知りたいなぁ。

投資をするのに参考になるデータは?

こんなお悩みにお答えします。

☑️本記事の内容

  • メルクは米国2位の医薬品メーカー
  • 2010年以降のS&P500との成績比較
  • MRKの業績・配当・キャッシュフローの推移

☑️本記事の執筆者

くわ

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。

私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!

米国高配当株の人気銘柄の一つであるメルク(MRK)について分析を行います。

 

会社の基本情報から配当込みでS&P500との比較、利益や配当金の推移等をまとめます。

メルクってどんな会社?

社名 メルク
ティッカー MRK
設立年 1891年
セクター ヘルスケア
従業員数 71,000人
連続増配年 10年
決算月 12月
PER 13.26%
直近配当利回り(税込) 3.52%

米メルクはもともとドイツの医薬品メーカーで、第一世界大戦の時にアメリカで行なっていた事業と資産が敵国アメリカに接収されて、事業を展開したのが始まりです。

現在は米国の有力30銘柄で構成されるNYダウに組み入れられており、NYダウ銘柄としても有名です。

 

今では世界140カ国以上で事業を行い、2019年は世界第4位、アメリカではファイザーにつぐ第2位の医薬品メーカーです。

image;Answers News

ファイザーの銘柄分析の際にも言及しましたが、これら巨大製薬会社のビジネスモデルの特徴として共通して言えることは以下の3点です。

・ブロックバスター(年間売上10億ドル以上の商品)が収益の鍵をにぎる
・莫大な研究開発費
・M&Aによる成長

以下の図は2019年の製薬会社の研究開発費ですが、メルクは年間1兆円以上も研究開発費につぎ込んでいます。

image;Answers News

メルクのブロックバスターを調べてみると以下の5種類でした。

薬品名 効能 2019年 2018年 2017年
キイトルーダ がん免疫療法 110億ドル 72億ドル 38億ドル
ジャヌビア 糖尿病治療 55億ドル 59億ドル 59億ドル
ガーダシル がん予防ワクチン 37億ドル 32億ドル 23億ドル
MMRワクチン ワクチン 23億ドル 18億ドル 17億ドル
ブリディオン 筋弛緩回復剤 11億ドル 9億ドル 7億ドル
合計 236億ドル 190億ドル 144億ドル

メルクの2019年の売上高が468億ドルなので、上記のブロックバスターの売上が実に半分以上を占めています。

特に売上トップのキイトルーダの売上比率が大きいのがわかります。

 

これらの年間売上10億円以上のブロックバスターは数年間は特許で守られているため、利益率が高いという特徴があります。

しかしながら年間100億ドル近く研究開発費が毎年かかる医薬品業界は、ブロックバスターを生み出せるかどうかが企業業績の良し悪しに大きく影響します。

 

ブロックバスターを生み出す以外の戦略ですが、メルクも他の医薬品メーカーと同様に大型買収を行い成長しています。

2009年には米国以外での収益力が高いシェリング・プラウを約4兆円で買収し、最近はガン治療薬関係の買収を繰り返し行なっています。

積極的なM&Aの甲斐があり、現在ではがん、循環器、呼吸器、神経科学、感染症、免疫などなど主要な治療分野で多様なポートフォリオを構成する企業へと成長しています。

地域別売上比率

扱っているものが、がんや糖尿病などどこでも必要とされる医薬品であるため全世界で幅広く売上があるのがわかります。

当然ながら本社を置く北米の占める割合が一番大きいですが、今後の人口増が期待できる中国を含むアジア圏でも売上があり、まだまだ順調に成長していきそうです。

セグメント別売上比率

続いてセグメント別の売上高の推移は以下のようになってます。

事業セグメントは大きく医薬品と動物医療に分けられますが、グラフからも分かるように主力は医薬品事業で、売上の90%も占めています。

 

また2018年以降は免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダの売上増が寄与し、順調に売上が伸びています。

ちなみに2024年の世界の医薬品市場予測では、製品売上1位はキイトルーダで、売上は170億ドルに達する(市場調査会社の英国エバリュエート社)という分析結果があります。

まだまだ売上が伸びていきますね。

株価の推移とS&P500との利益比較

2010年1月〜2020年12月までのMRKとS&P500に連動するETFであるVOOの株価を比較します。

青線がMRKで緑線がVOO(S&P500)です。

10年間の株価上昇率をまとめると以下の通りです。

項目 MRK VOO(S&P500)
株価上昇率 120% 228%

表示期間をとおしてVOO(S&P500)を下回る成績です。

 

続いてMRKとVOO(S&P500)の配当込みで比較してみます。

項目 MRK VOO(S&P500)
配当込み上昇率 228% 318%

配当込みではコロナショックがおきた2020年にはMRKがVOO(S&P500)を逆転しましたが、その後はVOO(S&P500)に引き離されています。

 

昨今のGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の成長の恩恵を受けるVOO(S&P500)にはなかなか追いつけませんね。

業績

売上・当期純利益・利益率の推移

2009年にシュリング・プラウをM&Aしたことで2010年は大幅に売上増となりました。

その後2015年にかけて緩やかに減少したものの、最近は免疫チェックポイント阻害薬「キートルーダ」の売上増もあって順調に増加しています。

 

純利益率には大きなブレがありますが、本業の成績を示す営業利益は常に60%以上と安定したこう利益率を維持しています。

簡単には他業種から参入できない医薬品メーカーの特権ですね。

コロナ禍でも関係なく売上げが増えているのが面白いところです。

EPS・DPS・配当利回りの推移

連続増配は10年程度と長期ではないもののリーマンショックの際にも減配をしなかったのは安心材料です。

配当利回りは2010年以降右肩上がりに株価が上昇した影響で右肩下がりとなっていますが、株価の動きを見てもインカムゲインの配当より、キャピタルゲインを期待した方が良さそうです。

配当性向・増配率

配当性向は高めで、100%を超えるている時も多いです。

高い利益率の安定したビジネスモデルがバックにあります。

キャッシュフロー

営業CFを売上高で割って求める営業CFマージンが最近は20%以上と高値で推移しており、ふんだんなキャッシュを稼げる体質であるのがわかります。

もともと安定したビジネスモデルであるため、営業CF・フリーCFともに十分な量を確保できています。

まとめ

メルクについて分析をまとめました。

メルクは安定した高い利益率を誇る世界4位の医薬品メーカーで、高配当のみならずキャピタルゲインも狙える米国の優良企業です。

コロナウイルスの蔓延により不安定な世の中になってきていますが、ますます医薬品メーカーの需要が増してきそうですね。

 

私が米国株投資をしている結果は以下の記事を参考にしてください。

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