【ニッセイJPX日経400インデックスファンド】銘柄分析〜手数料・運用成績・投資対象〜

ニッセイJPX日経400

つみたてNisaで運用している「ニッセイJPX日経400インデックスファンド」の銘柄分析を行います。

 

ファンドの基本情報から私的なファンド評価、手数料・運用成績・投資対象等について解説します。

基本情報

名称 ニッセイJPX日経400インデックスファンド
設定日 2015/1/20
償還日 無期限
ベンチマーク JPX日経インデックス400(配当込み)
投資形態 ファミリーファンド
ファンド分類 インデックス型
委託会社 ニッセイアセットマネジメント
販売手数料 なし
信託報酬 0.2145%(税込)
解約時手数料 なし
為替ヘッジ
「ニッセイJPX日経400インデックスマザーファンド」を通じて、実質的に国内の金融商品取引所上場株式に投資することにより、JPX日経インデックス400(配当込み)の動きに連動する投資成果を目標に運用を行います。

※目論見書から引用

ニッセイJPX日経400インデックスファンドは楽天証券の積立設定件数ランキング15位(2020年5月時点)の人気銘柄です。

 

JPX日経インデックス400というのは、2014/1/6から算出が開始された新しい指標で、東証1部、2部、マザーズまたはJASDAQに上場する約400銘柄で構成される加重平均型の指標です。

2020年5月時点の上場別の銘柄数は以下の通り399銘柄です。

項目 東証1部 東証2部 マザーズ JASDAQ
銘柄数 394 0 1 4

もともと日本で有名なTOPIXや日経225というインデックスがあるにも関わらず、JPX日経インデックス400という新しいインデックスが作られたのには理由があります。

 

TOPIXは東証1部上場企業全体で構成されますが、その中には赤字の企業や企業に貯まった利益を効率よく使えていない企業が含まれていました。

そこで資本の効率的な利用方法や投資家を意識した経営的な視点から、グローバルな投資家に対して魅力があるインデックスを作るという目的のもと日本の企業400社が選ばれ作られました。

 

400銘柄の選定基準は以下の通りです。

【適格基準によるスクリーニング】

  • 上場後3年未満(テクニカル上場を除く)
  • 過去3期いずれかの期で債務超過
  • 過去3期すべての期で営業赤字
  • 過去3期すべての期で最終赤字
  • 整理銘柄等に該当

【市場の流動性によるスクリーニング】

  • 直近3年間の売買代金
  • 選定基準日時点における時価総額

ここまでで1000銘柄に絞られ、さらに以下の点を考慮して順位付けされて上位400銘柄が選定されます。

  • 3年平均ROE:40%
  • 3年累積営業利益:40%
  • 選定基準日時点における時価総額:20%

この方式により毎年8月に入れ替えが行われます。

 

依然としてTOPIXや日経225のほうが知名度、人気とも高いものの、最近では年金を運用するGPIFが運用指標に採用したり、日銀がJPX400インデックスに連動するETFを買い入れ対象にしたりと徐々に日本の中では投資対処として広がってきています。

 

次のページではニッセイJPX日経400インデックスファンドのファンドの評価をいろいろな角度からみてみます。

私的なファンド評価

ファンド評価

結論から書くとニッセイJPX日経400インデックスファンドは「おすすめしないファンド」です。

ファンド自体は手数料が安く設定されており優秀なのですが、そもそも日本に限定したJPX日経400インデックスに投資するというのが、私自身魅力を感じないという意味で、あまりお勧めしないということです。

 

具体的なチャートでパフォーマンスを見てみます。

JPX日経400 VS TOPIX VS 日経225

JPX日経400とTOPIX、日経225のパフォーマンスを比較してみます。

JPX日経400インデックスの指標ができてから日が浅いため比較期間が5年程度ですが、概ねTOPIXと同じ、いやむしろ若干マイナスといったところです。

グローバルな投資家に魅力のある・・・・・・・・

だったはずが現状は肩透かしを食らったような感じで古典的な平均型指標の日経225にすら負けているというのが現状です。

 

これではさすがにグローバルな投資家から幅広く投資資金を集めるのは難しいですね。

甲子園に例えるとまだ地方大会でも苦戦している状況です。。

 

さらに世界的に見るとJPX日経400以上のパフォーマンスであるTOPIXですら米国の有名なインデックスであるS&P500を大きくアンダーパフォームしているような状況です。

JPX日経400がグローバルで有望な投資対象として認知されるようになるには、まずは日経225、TOPIXを大きく上回る成績を上げる必要があります。

それからでもJPX日経400に投資するのは遅くありませんね。

基準価額・投資銘柄・セクターの解説

基準価額・純資産総額の推移

基準価額と純資産総額の推移のグラフを掲載します。

ニッセイJPX日経400基準価額

※引用;楽天証券HP

純資産総額は16.87億円(2020年4月時点)で、ファンドが設定された2015/1以降1年程度は順調に純資産が増加しましたが、その後は横ばい若しくは少し増えた程度です。

純資産総額が16.87億円と2017年に設定された人気ファンドの楽天VTIの850億円と比較しても、人気のなさが目立っています。

 

基準価額は設定された時から一時は+35%程度まで上昇しましたが、2020年2月末からのコロナショックの急落を経て、2020年4月末時点で+10%程度となりました。

 

他のファンドとの比較は以下の記事を参考にしてください。

つみたてNisa10銘柄の運用実績を比較【投資信託の選び方とおすすめ銘柄を紹介】
つみたて(積立)Nisaで10銘柄に実際に投資を行い、実績からおすすめの投資信託3銘柄を紹介。また投資信託を選ぶ際のポイントと、つみたてNisaで運用する際に銘柄選定と同じく重要な3つのポイントを解説します。

投資銘柄

ニッセイJPX日経400インデックスファンドが投資する銘柄のTOP10を掲載します。

JPX日経400銘柄

銘柄 割合
ソニー 1.6%
トヨタ自動車 1.6%
三菱UFJFG 1.6%
武田薬品工業 1.5%
NTT 1.5%
キーエンス 1.5%
リクルートHD 1.5%
三井住友FG 1.4%
任天堂 1.4%
本田技研工業 1.3%

※2020年5月時点

トップ10はTOPIXとだいたい変わりはありませんが、TOPIXに比べて突出した投資比率の投資銘柄がなくだいたい均等に投資されているという特徴があります。

この辺はJPX日経インデックス400の指標の特徴ですね。

セクター比率

続いてニッセイJPX日経400インデックスファンドが投資するセクター比率を確認しましょう。

JPX日経400セクター比率

投資セクター 割合
電気機器 15.6%
情報・通信業 7.7%
化学 7.3%
医薬品 6.8%
輸送用機器 6.1%
銀行業 5.4%
卸売業 5.2%
陸運業 5.1%
サービス業 5.0%
機械 5.0%
その他 30.8%

※2020年4月時点

アメリカや全世界株式だとテクノロジーや金融業が多いのですが、ニッセイJPX日経400インデックスファンドの投資セクターは、日本の企業の特徴がよく表れているセクター比率で、電気機器が最も多い投資割合になっています。

 

ニッセイJPX日経400インデックスファンドは株式時価総額に合わせてセクター比率も自動で入れ替わる仕組みになっているので、銘柄選定などが不要な形式のファンドです。

✅関連記事;時価総額加重平均指数のメリットは、世の中の時勢に合わせて自動で銘柄を組み替えてくれるところ

まとめ

ニッセイJPX日経400インデックスファンドについてまとめました。

JPX日経400インデックスできてから日が浅いですが、いまだTOPIX、日経225に勝てないような状況です。

GPIFや日銀が投資対象にし始めたとはいえ、現状だとは個人投資家が喜んで投資したいと思えるような銘柄ではありません。

 

銘柄の選定方法やインデックスができた経緯がどうであれ、結局投資家にとって重要なのはパフォーマンスの良し悪しですからね。

今後に期待です。

タイトルとURLをコピーしました