
ファイザー(PFE)の株価・配当金について知りたいなぁ。
投資をするのに参考になるデータは?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- PFEは米国最大の製薬会社
- 2010年以降のS&P500との成績比較
- PFEの業績・配当・キャッシュフローの推移
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
米国高配当株の人気銘柄の一つであるファイザー(PFE)について分析を行います。
会社の基本情報から配当込みでS&P500との比較、利益や配当金の推移等をまとめます。
ファイザーってどんな会社?
社名 | pfizer |
ティッカー | PFE |
設立年 | 1942年 |
セクター | ヘルスケア |
従業員数 | 92,400人 |
連続増配年 | 12年 |
決算月 | 12月 |
PER | 16.59 |
直近配当利回り(税込) | 3.39% |
ファイザーは、1849年にチャールズ・ファイザーらによってニューヨークで創業されました。
当時アメリカは南北戦争時代で、北軍の医薬品のほとんどをファイザーが製造したことで、成長していきました。
その後1949年には抗生物質テラマイシンが初めて自社開発した薬品として大成功を納め、1982年には抗炎症剤フェルデンがファイザーとして初の年間売上10億ドル以上となるブロックバスターとなりました。
1990年代には高脂血症薬リピトール、世間でも話題になったバイアグラなどの商品を抱える製薬業界では世界1位、2位を争う巨大企業に成長しました。
そして2018年の実績でもファイザーはロシュに続いて世界2位の売上高をほこっています。
image;Answers News
これら巨大製薬会社のビジネスモデルの特徴として共通して言えることは以下の3点です。
・莫大な研究開発費
・M&Aによる成長
医薬品業界で生き残るために重要なのは、いかに新薬を開発して世界中で売れる薬を販売するかということにつきます。
特に年間10億以上を売り上げる商品をブロックバスターと言いますが、ファイザーは21世紀に入ってから独自で開発したブロックバスターはありません。
年間1兆円近くの研究開発費をかけても20年間ブロックバスターが生まれていないという事実を考えると、厳しい業界というのが分かります。
image;Answers News
これだけ莫大な金額を研究開発費に投資したとしても、なかなかブロックバスターが出てこないというのは、現在の世の中は病気に対する薬がほとんど開発され尽くされており、新薬を開発するのが難しいという現実があるためです。
そして仮にブロックバスターとなる商品を作り出したとしても、年数が経てば特許切れとなり、ジェネリック医薬品との競争にさらされることになります。
ブロックバスターが自社で開発できないならどうするか。
思い浮かぶのは、有望なベンチャー企業を買収(M&A)して自社で販売するというものです。
実は自社で薬を開発する費用よりも、有望なベンチャー企業を安価でM&Aしたほうが効率が良いため、大手の製薬会社はこぞってM&A競争に走っている状況です。
そしてファイザーは、実際にM&Aによって急成長を果たし、この成功モデルは「ファイザーモデル」と言われるぐらいです。
厳しい業界ではありますが、ファイザーは世界的にも1位、2位を争う巨大企業であり、医薬品業界の特徴である利益率の高さとふんだんなキャッシュを武器に、今後も新薬開発やM&Aを通してまだまだ成長できる力のある企業です。
地域別売上比率
地域別売上比率を見ると1位はアメリカの50%で、世界全体にほどよく分散されています。
そして注目なのはこれから急速な経済成長を果たすであろうアジアを含めた新興国でのシェアが20%もあることです。
今後も増収が期待できます。
セグメント別売上比率
ファイザーの開示セグメントは以下の2つ。
- イノベーションヘルス…新薬、ワクチン開発
- エッセンシャルヘルス…ジェネリック薬品(後発医療)
ファイザーは一般消費者向け製品を持つJNJとは異なり、医薬品売上だけで成長するビジネスモデルです。
✅関連記事;【ジョンソン&ジョンソン:JNJ】高配当米国株の銘柄分析〜株価・利益・配当〜
2つのセグメントの中でも花形はイノベーションヘルス部門です。
自社開発の新薬が含まれるので特許により市場独占状態となり利益率が高く、年間売上10億ドル以上のブロックバスターが生まれるのもこの部門です。
一方エッセンシャルヘルス部門は、自社や他社で開発された製品の特許が切れた製品、いわゆるジェネリック医薬品を取り扱う部門です。
とうぜん特許がないため市場独占とはならず、価格競争になってしまうため、利益率は低くなります。
なので自社開発または優良ベンチャーのM&Aによって新薬を販売するかが、会社の成長の鍵をにぎっています。
株価の推移とS&P500との利益比較
2009年12月〜2020年12月までのPFEとS&P500に連動するETFであるVOOの株価を比較します。
青線がPFEで緑線がVOO(S&P500)です。
10年間の株価上昇率をまとめると以下の通りです。
項目 | PFE | VOO(S&P500) |
株価上昇率 | 113% | 209% |
2010年代の初めはPFEのほうが成績がいい時期がありましたが、2020年以降はS&P500に左を開けられはじめました。
続いてPFEとVOO(S&P500)の配当込みで比較してみます。
項目 | PFE | VOO(S&P500) |
配当込み上昇率 | 210% | 318% |
配当込みでもPFEはVOO(S&P500)の成績よりも劣っています。
しかし再度成長軌道に戻ればVOO(S&P500)を超えることも考えられます。
業績
売上・当期純利益・利益率の推移
売上・当期純利益ともに安定しており、リーマンショックの際にも利益が落ちなかったのが特徴です。
また利益率は20%程度と平均して高めなのが特徴です。
またヘルスケア部門の特徴として、薬を売る会社なので景気が悪いからと言って薬の売れ行きが悪くなるわけではないので、景気後退時にも株価が下がりにくいという点が挙げられます。
個別株に投資をするのであれば、PFEやJNJなどのヘルスケア部門を入れるとポートフォリオのパフォーマンスが安定することにつながります。
EPS・DPS・配当利回りの推移
配当金が順調に右肩上がりに上昇しているように見えますが、連続増配年は12年です。
実は41年連続増配を続けていた超優良企業でしたが、リーマンショック後に一度だけ減配しました。
減配と聞くと聞こえが悪いですが、ファイザーが減配したのは業績悪化ではなく、2009年に米国大手のワイス社買収するために多額の資金が必要であったと予想できます。
なぜならファイザーは減配を行なったリーマンショックの際にも、利益は減っていないからです。
不況時の企業価値が下がっている時にワイス社を買収しているので、ファイザーの投資判断としては良かったのではないでしょうか。
配当性向・増配率
減配の影響から2011年には増配率が急上昇していますが、それ以降は安定しています。
連続増配年は9年ですが、先ほども述べたように大型買収による一時的な減配であり、その前は41年の連続増配実績があるので、企業として配当金を出すという文化には代わりがないように思います。
引き続き今後も増配に期待です。
キャッシュフロー
営業CFを売上高で割って求める営業CFマージンが25%以上と高値で推移しており、ふんだんなキャッシュを稼げる体質であるのがわかります。
この莫大なキャッシュを生かして今後もM&Aを行い成長していくことでしょう。
まとめ
PFEについて分析をまとめてみました。
JNJもそうでしたがヘルスケア大手は安定して稼ぐ力があり、株価もそこそこいい成績を納めています。
また事業内容も新興国の企業が簡単に真似できる事業形態ではないため、今後も世界をとおして優位な地位は簡単にはゆらがないものと考えています。
私が米国株投資をしている結果は以下の記事を参考にしてください。