株価が高い安いを客観的に判断する方法、PBR・PER・ROEの基本指標について解説。

悩み
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株価が割安とか割高とかはどうやって判断するの?

こんなお悩みにお答えします。

☑️本記事の内容

  • 1株当たりの安定性と収益性を表す指標BPS・EPSの解説
  • 客観的に割安・割高を判断する指標PBR・PER・ROEの解説

☑️本記事の執筆者

くわ

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。

私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!

株式投資を始めたばかりの頃はチャートをみても今が安いのか、はたまた高いのか全く分からないと思います。

また企業によっても株価が数百円のものから数万円するものまであり、

「何が高くて何が安いのか意味がわからん」

という状態だと思います。

今回の記事では株価が安いのか高いのかを客観的に判断することができる株価指標というものを解説します。

株価の割安・割高を判断できる基本となる指標について解説しますので、覚えておくと良いと思います。

株価と時価総額の関係

株式投資を始めると気になるのは株価ですが、株価の高い低いだけを比べても全く意味がありません。

例えば同じ業界のトヨタ自動車株とホンダ株を比べてみます(2019年1月30日時点)。

項目 トヨタ自動車 ホンダ
株価 6,639円 3,241円
くわ

これだけを見るとさすが世界のトヨタ!ホンダの倍以上だね!?

と思ってしまいますが、実はそんなに単純ではありません。

重要なのは、株価そのものではなくて発行済株式数というのが重要になってきます。

そして同じぐらいの規模の会社であれば株価の値段そのものではなく、時価総額というのが重要になります。

時価総額=株価×発行済株式数

先ほどの例を元に表にして比較してみます(2019年1月30日時点)。

項目 トヨタ自動車 ホンダ
株価 6,639円 3,241円
発行済株式数 3,262,997,492株 1,811,428,430株
時価総額 21,663,040百万円  5,870,840百万円

この表を見るとトヨタ自動車株はホンダ株の株価の2倍程度の値段ですが、時価総額で見ると3倍以上です。

このように株価だけの高低で両者を比較しても全く意味のないことだということが分かりますね。

企業の安定性と収益性を表す指標(BPS、EPS)

株価が割安か割高を判断するのは株価の値動きだけを見ていてもできるものではありません。

株価を判断するというのは、企業が健全かどうかを判断するということです。

 

企業が健全かどうかを判断するにはどうすればいいでしょうか?

単純に考えると、以下の2点から企業を見る必要があります。

  • 企業の安定性;企業がどれぐらい資産を持っているか
  • 企業の収益性;どれぐらい収益をあげているか

企業が株主から求められることが安定的に収益をあげることだとすれば、これらを判断することが重要なのが分かるかと思います。

 

そこで便利な指標がBPSとEPSというものです。

企業の安定性が分かるBPS

BPSとは1株当りの純資産のことで、企業の安定性を測る指標として使われます。

 

企業には現金だけでなく、土地や自社ビル、工場など様々な資産があります。

また資産だけでなく、借入金や支払い手形などの負債も抱えています。

 

これらをひっくるめたものが純資産で、純資産総額を発行済株式数で割ったものがBPSです。

BPS=純資産÷発行済株式数
BPSは高ければ高いほど企業の安定性は高くなります。

企業の収益が分かるEPS

EPSとは1株当りの当期純利益のことで、企業がどれぐらい収益をあげられるかを測る指標として使われます。

EPS=当期純利益÷発行済株式数
EPSも高ければ高いほど収益は大きくなります。

 

ここでBPSとEPSをトヨタ自動車とホンダで比較してみます。

項目 トヨタ自動車 ホンダ
BPS 6,438円 4,461円
EPS 842円 590円

※2018年3月期の決算資料を元に作成

くわ

これを見てなんとなくトヨタがいーねー!と単純な判断ができるわけではありません。

BPSやEPSというのは他の銘柄と比較ができない絶対値です。

株式投資で収益を上げるためには、現在の株価よりも上がる銘柄を見つける必要があります。

 

そのためには他の銘柄と比較して割安や割高を判断できるような相対値が必要となります。

それが、PBRでありPERという指標です。

客観的に割安か割高かを判断する指標(PBR、PER、ROE)

株価が純資産の何倍になっているかを表すPBR

PBRとは株価純資産倍率のことで、現在の株価がその企業の1株当りの純資産の何倍になってるかを表す指標のことです。

PBR=株価÷1株当りの純資産(BPS)
PBRは低ければ低いほど「資産を持っているわりに安い」と判断でき、1倍以下であれば割安と判断できます。

 

PBRが1倍以下ということは、現在の株価から計算する時価総額より純資産の方が多いということで、今その会社が倒産しても純資産でペイできる株価だということです。

株価が1年で稼ぐ利益の何倍になっているかを表すPER

PERとは株価収益率のことで、現在の株価がその企業が1年で稼ぐ利益の何倍になっているか表す指標です。

PER=株価÷1株当りの当期純利益(EPS)(=時価総額÷当期純利益)

言い換えるとPER10倍とは、10年間同じ利益をあげ続けて稼ぐ金額と同じ株価水準になっているということです。

 

PERは低ければ低いほど「収益性があるわりに安い」と判断できます。

くわ

ちなみに破竹の勢いのAmazon株はPER 85.8倍です。

私は高PER株には投資しませんが、凄まじいですね。

当期利益の85倍の株価ということですからね。

ここで先ほどと同じようにトヨタ自動車とホンダ株を比較してみます。

項目 トヨタ自動車 ホンダ
PBR 0.97 0.68
PER 8.23 8.06

※2018年3月期の決算資料を元に作成

先ほどと見える風景がだいぶ異なってきました。

 

これなら両者を同じ土俵で比較して判断できそうですね。

これを見るとホンダはPBRが1倍を大きく割っており、PERは同じ8倍ぐらいなので、ホンダ株が買いという判断ができそうです。

自己資本に対して利益の効率を表すROE

最後に株価の割高・割安を判断する便利なROEという指標を説明します。

ROEは自己資本利益率のことで、自己資本に対してどれだけ効率よく利益を得られているかを表す指標です。

  • ROE=当期純利益÷純資産
  • ROE=PBR÷PER

ROEは上記の式で表される通り、純利益を純資産(自己資本)で割った数字です。

純資産は株主資本のことで、我々が投資しているお金も含まれます。

 

ROEをみれば、我々が投資しているお金がどれぐらい効率よく利益を生み出しているかを測ることができ、その企業が多く利益をあげれば、投資家である我々にも配当金や株価上昇という形で必ず還元されます。

 

なのでROEは株式投資で我々が利益を上げる上で重要な数字です。

  • 資産効率のいい会社→ROE10%以上
  • 資産効率の悪い会社→ROE7%以下

先ほどのトヨタ自動車とホンダ株の比較にROEも入れて比較してみます。

項目 トヨタ自動車 ホンダ
PBR 0.97 0.68
PER 8.23 8.06
ROE 11.8% 8.4%

まとめ

株価の割安・割高を判断する指標について解説しました。

私が株式投資を始めたばかりの頃は、チャートの形ばかりをみて「昨日より安くなったから買って良いのかな?」という感じで何となく投資をしていました。

今回解説した株価指標というのは基本的なものですが、覚えておくと客観的に株価を判断することができるものです。

自分が投資している企業の株価をこういった指標で分析してみると面白いかと思います。

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