
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の株価・配当金について知りたいなぁ。
投資をするのに参考になるデータは?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- WFCは米国6大銀行の一つ
- 2010年以降のS&P500との成績比較
- WFCの業績・配当・キャッシュフローの推移
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
米国高配当株の人気銘柄の一つであるウェルズ・ファーゴ(WFC)について分析を行います。
会社の基本情報から配当込みでS&P500との比較、利益や配当金の推移等をまとめます。
ウェルズ・ファーゴってどんな会社?
社名 | ウェルズ・ファーゴ |
ティッカー | WFC |
設立年 | 1852年 |
セクター | 金融 |
従業員数 | 262,700人 |
連続増配年 | 0年 |
決算月 | 12月 |
PER | 13.59 |
直近配当利回り(税込) | 1.56% |
ウェルズ・ファーゴはヘンリー・ウェルズとウィリアム・ファーゴの2人によってアメリカのゴールドラッシュをビジネスチャンスとして1852年に設立されました。
2017年にはアメリカで最も支店数の多い金融機関となりました。
欧米の銀行のほとんどは投資銀行部門(日本の証券会社のように証券を売って手数料を稼ぐビジネスモデル)が収益の柱になっているのに対し、ウェルズ・ファーゴは顧客からたくさん預金を集めて、企業に利息をつけて貸し付ける商業銀行業務を主軸にしています。
そういう堅実なビジネススタイルの甲斐があってリーマンショックの際には他の銀行が瀕死の状態になったにも関わらず、ウェルズ・ファーゴは被害を最小限に食い止めることができました。
そしてウェルズ・ファーゴは世界の2019年銀行ランキングTOP7位となっており、アメリカの銀行では
第3位という規模です。
順位 | 企業名 | 国 | 自己資本 |
1位 | 中国工商銀行 | 中国 | 3,380億ドル |
2位 | 中国建設銀行 | 中国 | 2,870億ドル |
3位 | 中国農業銀行 | 中国 | 2,430億ドル |
4位 | 中国銀行 | 中国 | 2,300億ドル |
5位 | JPモルガン・チェース | アメリカ | 2,090億ドル |
6位 | バンク・オブ・アメリカ | アメリカ | 1,890億ドル |
7位 | ウェルズ・ファーゴ | アメリカ | 1,680億ドル |
8位 | シティグループ | アメリカ | 1,580億ドル |
9位 | HSBC HD | イギリス | 1,470億ドル |
10位 | 三菱UFJ銀行 | 日本 | 1,460億ドル |

ここまで見るとウェルズ・ファーゴは歴史あるアメリカの優良銀行というイメージですが、実は2016年に行員による不正営業問題が明るみになっています。
具体的な不正の内容としては、銀行口座の開設が150万以上、クレジットカードの発行が56万枚以上に及び、不正に手数料を得たり会社から報酬をもらったりしていました。
これらの問題によって2016年までに約5300人もの行員が解雇され、10億ドル(1000億以上)の罰金を課されることとなり、ウェルズ・ファーゴの信用は地に落ちてしまいました。
この影響がこの後解説する株価の低迷にもつながっています。
そしてこれらの問題の責任を取る形でCEOは退任し、現在は信用回復へと全力で取り組んでいます。
地域別売上比率
ウェルズ・ファーゴの売上はすべてアメリカ合衆国です。
そして各州ごとの最も多い銀行の支店の分布は以下のようになっています。
引用;Bankrate
この図からカリフォルニアを拠点としているウェルズ・ファーゴは、アメリカ西部を地盤として営業展開している様子がよくわかります。
セグメント別売上比率
ウェルズ・ファーゴの主要なセグメントは以下の3つです。
- 消費者向け銀行業務
- 商業銀行業務
- 資産運用業務
ウェルズ・ファーゴは顧客から預金を集め、企業に利息をつけて貸し出しその利ざやを利益とする銀行業としては伝統的な手法のビジネスモデルを主力としています。
そのため個人などの消費者向けの銀行業務と企業に対してビジネスを行う商業銀行業務だけで8割以上も比率を占めています。
そして各セグメントの売上高の推移は以下のようになっています。
ここ数年は消費者向け銀行業務・商業銀行業務・資産運用業務ともに同じ割合の横ばいが続いております。
また2019年にはWells Fargo Digital Cashと呼ばれるデジタル通貨の発行を発表し、新規事業への取り組みも積極的に行なっています。
株価の推移とS&P500との利益比較
2010年10月〜2020年12月までのWFCとS&P500に連動するETFであるVOOの株価を比較します。
青線がWFCで緑線がVOO(S&P500)です。
10年間の株価上昇率をまとめると以下の通りです。
項目 | WFC | VOO(S&P500) |
株価上昇率 | 20% | 225% |
2018年まではWFCとS&P500は拮抗していたのですが、それ以降はWFCが大きく下落し、S&P500に大きく引き離されています。
続いてWFCとVOO(S&P500)の配当込みで比較してみます。
項目 | WFC | VOO(S&P500) |
配当込み上昇率 | 58% | 303% |
WFCの行員による不正事件が問題になる2016年までは好調に推移していましたが、それ以降はS&P500に
大きく引き離されました。
そして2020年のコロナショックにより大きく下落しています。
ちなみにアメリカの3大銀行の2010年以降のチャートを比較すると以下のようになっています。
JPモルガン(JPM緑)、ウェルズ・ファーゴ(WFC青)、バンカメ(BAC紫)です。
2016年まではWFC>JPM>BACだった順位は、2020年のコロナショックをへてJPM>BAC>WFCと完全に逆転してしまいました。
業績
売上・当期純利益・利益率の推移
2019年までは当期純利益、利益率ともに安定しており、利益率については25%以上と高めでしたが、2020年は利益率が急減しているのが分かります。
これはWFCはローン事業を主力としていますが、コロナショックによる金利低下により、利益が上がっていないものと考えられます。
EPS・DPS・配当利回りの推移
2020年の利益の急減を受けて、9年続いた連続増配も減配となりストップしました。
長年WFCに投資をしていたバフェットも売却してしまいました。
配当性向・増配率
金融危機で配当性向が下がりましたが、2011年以降は20%以上で推移しています。
今後何年続くのか期待したいと思います。
キャッシュフロー
他の業界と比べるとキャッシュフローの増減が激しいですが、これは銀行業特有の貸出金や預金などの増減もキャッシュフローに反映されるためです。
そのためキャッシュフローのマイナスが続かない限り、参考程度に考えておくといいでしょう。
まとめ
ウェルズ・ファーゴ(WFC)についての分析をまとめてみました。
米国6大銀行と比較すると規模・収益は3番手といった感じです。
またS&P500との成績を比較すると最近は元気がありません。
ローン事業をメインとするビジネスモデルからすると、金利が正常にならないと利益を出すのが難しいかもしれません。
経済が良くなってくると、利益・株価共に期待ができるかもしれませんね。
私が米国株投資をしている結果は以下の記事を参考にしてください。