つみたてNisaで運用している「世界経済インデックスファンド」の銘柄分析を行います。
ファンドの基本情報から私的なファンド評価、手数料・運用成績・投資対象等について解説します。
基本情報
名称 | 世界経済インデックスファンド |
設定日 | 2009/1/16 |
償還日 | 無期限 |
ベンチマーク | 合成ベンチマーク |
投資形態 | ファミリーファンド |
ファンド分類 | インデックス型 |
運用会社 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
販売手数料 | なし |
信託報酬 | 0.55%(税込) |
解約時手数料 | なし |
為替ヘッジ | なし |
ファンドの特色
- 世界の債券及び株式に分散投資を行うことで、リスクの低減に努めます。
- 世界経済全体の発展を享受します。
※目論見書から引用
世界経済インデックスファンドは楽天証券の買付ランキング79位(2020年8月時点)の銘柄で、先進国と新興国の債券と株式に50%ずつ分散投資するファンドです。
基本の投資比率は以下の通りです。
ポートフォリオのうち50%は債券に投資することになっており、守り重視のファンドです。
バランスファンド的な要素が強いですね。
組み入れ銘柄は以下のインデックスをベースにしています。
そしてそれぞれのファンドへの投資配分については、各クラスの人口比率とGDP比率をベースとしているようです。
GDPの比率で見ると
日本6%:先進国53%:新興国41%
となっており、この比率が当ファンドの投資比率のベースになっているのが分かります。
ただ株式時価総額ベースで考えると以下のように
日本8%:先進国80%:新興国12%
なので当該ファンドの新興国比率が高いのが分かります。
ここ10年は先進国の成績の方が良いことを考えると、GDPではなく株式時価総額ベースで投資した方が良い成績でした。
次のページでは世界経済インデックスファンドのファンドの評価をいろいろな角度からみてみます。
私的なファンド評価
ファンド評価
結論から書くと世界経済インデックスファンドは、信託報酬が高いという点で「おすすめしないファンド」です。
当ファンドは2009年に設定された投資信託界では老舗のファンドですが、最近の0.1%代の低い信託報酬が多くなった日本の状況を考えると、0.55%という信託報酬ははっきり言って高すぎです。
しかもやっているのは6つのインデックスファンドに決められた配分で投資するだけです。
これなら低コストインデックスファンドを使って自分でも投資でき、高いコストを払ってまで当ファンドを選ぶ必要性が見つかりません。
ファンドが設定された2009年当時だとそこそこ低コストで良いファンドだったのかもしれませんね。
基準価額・投資銘柄・投資配分・騰落率の解説
基準価額・純資産総額の推移
基準価額と純資産総額の推移のグラフを掲載します。
※引用;楽天証券HP
純資産総額は734億円(2020年8月時点)で、ファンドが設定された2009から徐々に増えてきており、2017年以降は急激に純資産が増加しています。
基準価額は設定されたのがリーマンショック後であるため、現状は140%(約1.5倍)まで上昇しました。
S&P500が同じ期間で3倍程度まで増えましたが、当ファンドが株式と債券が半々の比率であるということを考えると、これぐらいの成績なのでしょう。
米国株式と当ファンドのグラフを比較してみます。
上昇も下落も変動率が少なく債券比率が大きい当ファンドの特徴をよくあらわしています。
他のファンドとの積立実績の比較は以下の記事で検証しています。

投資銘柄
世界経済インデックスファンドが投資する銘柄の上位銘柄を掲載します(目論見書より)。
株式、債券ともに世界中に投資しているファンドであることが分かります。
ファンドの騰落率
つづいてファンドの騰落率をみてみます。
ファンドの騰落率は年間にどれぐらい上がったり、下がったりしたかを確認できる数値です。
※目論見書より引用
一番左の赤枠内の棒グラフが世界経済ニッセイインデックスファンドの結果で、棒グラフの長さが短いことから変動率が少ないというファンドの特徴を良く表しています。
債券より少し変動率が大きく、パフォーマンスは債券以上と言った感じです。
まとめ
世界経済インデックスファンドについてまとめました。
ファンドの特徴としては、一つのファンドで世界中の債券と株式に分散投資できるというものです。
設定当時、優良なインデックスファンド(しかもバランス系)が少なかったことを考えると、なかなか良いファンドだったように思います。
ただ昨今の低コスト優良ファンドが多くなった状況から考えると0.55%という信託報酬は高すぎです。
ライバルとなるファンドはeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)などのバランス系ファンドで今後の動向を見てみたいと思います。