
エクソン・モービル(XOM)の株価・配当金について知りたいなぁ。
投資をするのに参考になるデータは?
こんなお悩みにお答えします。
☑️本記事の内容
- エクソン・モービル(XOM)は米国最大の石油メジャー
- 2010年以降のS&P500との成績比較
- XOMの業績・配当・キャッシュフローの推移
☑️本記事の執筆者

投資歴15年超のサラリーマン投資家です。
私のブログでは投資初心者・中級者の方々に向けて基礎知識を短期間で身に付けられるよう分かりやすくまとめてます。ぜひご覧ください!
米国高配当株の人気銘柄の一つであるエクソン・モービル(XOM)について分析を行います。
会社の基本情報から配当込みでS&P500との比較、利益や配当金の推移等をまとめます。
エクソンモービルってどんな会社?
社名 | Exxon Mobil Corp |
ティッカー | XOM |
設立年 | 1882年 |
セクター | エネルギー |
従業員数 | 71,000人 |
連続増配年 | 38年 |
決算月 | 12月 |
PER | 16.31 |
直近配当利回り(税込) | 6.02% |
エクソンモービルは北米の石油会社で、現在世界の石油関連企業の中でも特に巨大な規模を持つスーパーメジャーと総称される6社の内の一社です。
元々は1911年ジョン・ロックフェラーが創設したスタンダード・オイルが元で、その後セブン・シスターズと呼ばれた7つの巨大石油会社の支配時代を経て、現在のスーパーメジャー6社体制となりました。
以下にスーパーメジャー6社の売上と利益の一覧を掲載します(2018年)。
企業名 | 国 | 売上高
(百万$) |
営業利益
(百万$) |
エクソンモービル | アメリカ | 279,332 | 22,124 |
ロイヤル・ダッチ・シェル | オランダ | 388,379 | 31,189 |
BP | イギリス | 298,756 | 16,341 |
シェブロン | アメリカ | 158,902 | 14,446 |
トタル | フランス | 184,106 | 15,314 |
コノコフィリップス | アメリカ | 36,417 | 8,859 |
2018年はスーパーメジャー6社の中でエクソン・モービルは売上についてはシェル、BPにつぐ第3位、利益についてはシェルに続いて第2位の成績なので上出来ですね。
さらにS&P信用格付けは、AA+とスーパーメジャーの中では最高値となっています。
これは他者と比較して財務状況がもっとも良いところから来ています。

ちなみに2012年までエクソン・モービルは株式時価総額が世界No1の会社でした。
銘柄分析として財務データをみていきますが、スーパーメジャーの株価の特徴として単純にいうと以下の2点に集約できます。
・石油消費量は今後も拡大する
スーパーメジャーである以上、原油を売ってなんぼの会社です。
各社さまざまな分野に進出しているものの、やはり主力は原油にあるため原油価格が上昇すれば利益も増え、それに伴い株価も上昇します。
WTI原油先物価格とXOMの株価を比較したものを掲載します。
また石油消費量ですが世界経済の拡大に合わせて順調に増えていっています。
以下のグラフは1965年以降の世界の石油消費量の推移です。
※出典;経済産業省資源エネルギー庁「平成29年度エネルギーに関する年次報告」
順調に右肩上がりに石油消費が拡大しているのが分かります。
そして今後も世界のGDPは増え続けるという予測があるので、石油消費量も増えていくことでしょう。
最近はシェールオイルなど新たな原油層が採掘できるようになっていますが、原油は有限な資源です。
今は原油価格が低迷していますが、今後世界の景気がよくなると再度原油価格も上昇してくるものと考えています。

その時株価上昇の恩恵を受けられるよう株価が低迷している今のうちに先行投資しておくのもありかと思います。
地域別売上比率
地域別売上比率を見ると1位はアメリカの35%で、世界全体にほどよく分散されています。
さすがスーパーメジャーです。
全世界をカバーしているものの主力地域はやはりアメリカですね。
世界のGDPの多くをアメリカが占めており原油消費量も多いので、自然な流れですね。
セグメント別売上比率
現在の事業収益としては大きく3つに分けられます。
- 上流・・・原油の探鉱・開発・採掘
- 下流・・・石油の精製・販売
- 化学薬品
そのなかでも一番のシェアを握っているのは原油の探鉱・開発・採掘を行う上流事業です。
エクソン・モービルの利益に一番貢献しているのもこの上流事業です。
株価の推移とS&P500との利益比較
2010年10月〜2021年6月までのXOMとS&P500に連動するETFであるVOOの株価を比較します。
青線がXOMで緑線がVOO(S&P500)です。
10年間の株価上昇率をまとめると以下の通りです。
項目 | XOM | VOO(S&P500) |
株価上昇率 | 2% | 276% |
XOMの株価は10年間でほとんど変わっておらず、2%値上がりしただけでした。
特に2020年3月のコロナ禍ではやられましたね。
VOO(S&P500)の上昇率と比較すると圧倒的な差をつけられているのが分かります。
100万円投資したとすると10年間で174万円の差です。
続いてXOMとVOO(S&P500)の配当込みで比較してみます。
項目 | XOM | VOO(S&P500) |
配当込み上昇率 | 69% | 382% |
配当込みでもXOMはVOO(S&P500)の成績に大きく見劣りしています。
世界の景気がよくなり原油の価格が上昇すれば、つられてXOMの株価もよくなりそうですね。
ちなみにXOMはここ最近は株価が低迷していますが、かつて原油の需要が旺盛だった2000年代のはじめはS&P500よりいい成績でした。
1980年からXOM(青)とS&P500(緑)のチャートを比較してみます。
このチャートを見るとXOMもなかなかいい投資先であったことが分かります。
シェールオイルの発掘技術の発展により原油業界の情勢も大きく変わってきていますが、かつての輝きを取り戻して欲しいですね。
業績
売上・当期純利益・利益率の推移
2012年以降は下降気味であり、なかなか利益が増えない状態が続いています。
また利益率も1桁台なので優位性のあるビジネスモデルとは言い難いですね。
そこに2020年のコロナ禍が追い討ちをかけ、最終的に2020年は赤字となりました。
EPS・DPS・配当利回りの推移
利益は思うように上がっていませんが、2020年のコロナ禍でも増配を続け、配当金は順調に増配を続けています。
増配企業の意地ですね。
株価は下がるものの、配当金は大きくなるので配当利回りが跳ね上がっています。
配当性向・増配率
過去10年間を見る限りなかなか安定した増配を続けてくれており、長期投資に向いている銘柄であると言えます。
配当性向も60%近くあり増配余地があります。
キャッシュフロー
営業CFを売上高で割って求める営業CFマージンが石油関連企業としては高い10%程度で推移しており、資産売却や優良資産の購入など事業ポートフォリオの見直しやコスト管理を徹底して行なっているのが分かります。
まとめ
XOMについて分析をまとめてみました。
ここ10年の株価を見るとS&P500よりもだいぶ見劣りする成績です。
今後の世界経済と原油の価格動向に大きく左右されることになりますが、連続増配の実績を継続するといずれ配当利回りの高さから旨味が出てきそうです。
今後も世界経済は以下のGDP予測にあるように順調に拡大していくという予想です。
※引用 日本経済研究センター
特に中国、インドの伸びが顕著ですね。
このGDPの拡大に合わせて原油消費量も拡大していくものと考えています。
私が米国株投資をしている結果は以下の記事を参考にしてください。